ドローン(英語表記)drone

翻訳|drone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ドローン
drone

音楽用語。楽曲構成にかかわりなく,同一音上に持続される一声または多声の低音。声楽でも低音域にドローンを伴うものがみられるが,器楽ではハーディ・ガーディバッグパイプのようにドローン弦,ドローン・パイプをもつものが珍しくない。非ヨーロッパ音楽にも例が多く,インドのタンブールはもっぱらドローンを演奏するために用いられる楽器である。

ドローン
drone

無人機の意。無線による遠隔操縦,あるいは搭載コンピュータにあらかじめプログラムされたパターンで自律飛行をする。ドローンとは,ハチの羽音,もしくは雄蜂をいい,そこからアメリカ軍が非公式に小型無人機に対して,この名を使うようになった。ただし,科学的,技術的用語ではないため,無人機すべてをドローンと呼ぶべきかどうか,必ずしも明確ではない。近年では主として,複数のロータをもち,全地球測位システム GPSによる自律航法装置を備えた小型のマルチロータヘリコプタをさすことが多い。無人機については,ほかにも UAV; Unmanned Aerial Vehicle,ラジコン機,ロボット機などの呼び方がある。無人機は第2次世界大戦中から開発が始まり,戦後まもなく実用になった。当初は標的機として,戦闘機の訓練に使われた。1970年代には偵察機にもなり,1995年にはアメリカ空軍の無人偵察機プレデターが登場した。民間機として市街地上空を飛ぶようになると,落下や衝突などのトラブルが発生し,その存在と危険性が広く知られるようになった。このため,欧米諸国で規制の動きが強まり,アメリカ合衆国では 2015年12月から重さ 250g以上のドローンの登録が義務づけられた。日本でも航空法が改正され,2015年12月から無人航空機の定義や飛行ルールなどが新たに導入された。なお,日本では 2000年代に入って無人ヘリコプタによる薬剤散布が本格化し,ほかにも学術調査,防災,測量などの業務に使われている。

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知恵蔵の解説

ドローン

操縦士が乗らない、無人飛行機のこと。英語の「雄ミツバチ」から転じた。大きさは、全長10センチ程度の小型のものから、30メートル超の大型のものまであり、ヘリコプターや飛行船の形をしたものもある。カメラや加速度センサー、傾きや角度などを検出するジャイロセンサーといった機器を装備して利用できるため、世界の研究機関や企業などが活用方法を模索している。従来のラジコンとの違いとしては、自動飛行が可能なことや、ただ飛ばすだけでなく、何らかの役割を果たすという目的を持って飛行させることなどが挙げられる。
もともとは、偵察や空爆など、軍事目的の開発から始まり、米国がパキスタンなどで、イスラム原理主義組織であるタリバンの幹部らを攻撃するのに使用したことから、世界的に注目されるようになった。近年、スマートフォンの大量生産による電池やセンサーの低コスト化やコンピューターによる自動制御技術の発展で、民間への新市場拡大が期待されている。
具体的に、米国のアマゾンやグーグルは、ドローンを利用した宅配サービスの研究を進めている。日本では、ドローン研究の第一人者と言われる千葉大学の野波健蔵・特別教授が、荷物の積載が可能な市販モデルの開発に取り組んでいる。また、2015年1月には、高松市で、小型のドローンを使った物資の輸送に挑戦する、民間のプロジェクトなどが行われた。
ドローンの技術開発は目覚ましい速さで進められているが、運用ルールは追いついておらず、墜落した際の安全確保やプライバシーの侵害などが問題視されている。例えば、上空を多くの飛行機が行きかう米国では、高度122メートル以下しか飛行できない。その上、商業利用は原則として禁止されており、映画や農業、不動産業界などは、使用するごとに米連邦航空局に申請して、例外措置を取得している状況だ。
日本の航空法では、ドローンは模型飛行機と同じ扱いで、一部の区域を除けば高度250メートルまでの使用なら届け出は不要なため、実験などは行いやすい。しかし、実際に運用するとなると、安全基準や管理者資格、保険といった、飛行機と同レベルの規制を整備する必要があると言われている。
今後は、災害時の物資の輸送や災害現場など危険地域での調査、農薬の散布など農作業全般、工場内での部品の輸送など、様々な用途での実用化が期待されている。

(南 文枝 ライター/2015年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ドローン

人が立ち入れない場所の撮影や点検などビジネスへの応用も進んでいる。飛ぶ音が蜂に似ているため、ミツバチの雄を意味する英語「drone」から名付けられたとの説がある。 GPS機能で遠隔操作できるものやプログラミングで自動飛行するものもある。価格は1万円台~約1千万円と幅がある。売買に許可や届け出は不要だが、飛ばすには制限がある。空港周辺の半径9キロの管制圏内は禁止だ。旅客機の飛行ルート直下では高度150メートル未満、それ以外の空域なら高度250メートル未満までは無届けで飛ばせる。 官邸屋上でドローンが見つかった事件を受け、自民党は議員立法で、官邸や国会、中央省庁の上空などでの飛行を禁止する法案の今国会での成立を目指している。違反行為には、警察官排除命令や飛行の妨害などをすることができる。従わない場合は罰則規定を設ける方向で検討している。

(2015-05-09 朝日新聞 朝刊 群馬全県・2地方)

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デジタル大辞泉の解説

ドローン(drone)

一定の持続する音。多くは低音で、それを奏するための楽器や楽器の部分をいうこともある。
人が搭乗せず、遠隔操作により飛行する物体。偵察・攻撃など軍事目的のほか、農薬散布、災害状況の調査、報道現場や趣味での空撮などにも用いられる。無人航空機。無人機。UAV(unmanned aerial vehicle)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ドローン【drone】

単調に持続する低音を奏する(歌う)こと,その楽器,もしくはその音を指す。西洋音楽では古くから大別して以下の三つの意味がある。(1)保続低音しか出せず,他の楽器や歌の伴奏にのみ用いられる素朴なバッグパイプ,(2)バッグパイプやハーディ・ガーディなどの低音管(弦),(3)多声音楽における保続低音(オルゲルプンクト,ドローン・バス,ブルドンともいう)。持続的に低音を奏することは非欧米音楽にも広く見られる。

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知恵蔵miniの解説

ドローン

無人飛行機のこと。一般に地上からの遠隔操縦によって飛行するが、機上のコンピューターの判断で自律飛行が可能なものもある。攻撃や偵察などの軍事目的で開発・利用が始まり、農薬散布や航空撮影などの商用利用へと用途が拡大した。それに伴い、大型機から小型機まで大きさや重量、形状は多様化している。近年では配送や通信、警備といった分野への導入も検討されており、米国の大手IT企業が相次いで実用化に向けた計画を明らかにしている。2014年にはソニーが実用化に向けた開発に乗り出したと報じられ、日本でも注目を集めた。

(2014-9-1)

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