ナングロアチェーダルサラム(読み)なんぐろあちぇーだるさらむ(その他表記)Nanggro Aceh Darussalam

デジタル大辞泉 の解説

ナングロ‐アチェー‐ダルサラム(Nanggro Aceh Darussalam)

インドネシアスマトラ島北西端の州であるアチェー旧称

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ナングロ・アチェー・ダルサラム
なんぐろあちぇーだるさらむ
Nanggro Aceh Darussalam

インドネシア、スマトラ島北西端を占める州。面積5万5392平方キロメートル、人口393万0905(2000)。旧称アチェー特別州。州都バンダ・アチェー(旧名シグリSigli)。一般に山がちで人口は狭小な海岸平野に集まる。マレー系のアチェー人が居住し、その地理的位置からインドネシアでもっとも早くイスラム教が定着し熱心なイスラム教徒が多い。20世紀初頭までコタ・ラジャKota Radjaを都とし、強力なスルタン王国を建ててオランダに抵抗した(アチェー戦争)。20世紀以後は各種農園、石油も開発された。1945年のインドネシア独立後、アチェー人はインドネシア政府に対して分離・独立を主張。北スマトラ州への併合反乱を起こし、59年に宗教、教育などの特権が許される特別州となった。76年独立武装組織自由アチェー運動(GAM)の代表ハッサン・ティロがアチェーの独立を宣言。スハルト政権により活動家の掃討が行われ、多くの死者や行方不明者を出した。ハビビ政権に変わり、99年過去の弾圧が謝罪された。しかし、自治は認めるが独立は認めない政府に対し独立運動はなおも続いた。2001年特別自治を与えられる法律が制定され、02年1月州名をアチェー特別州から現名に変更、同年12月には和平協定調印した。しかし、GAMの武装解除が進まず、03年5月、日本・東京で和平協議を開催したが決裂、インドネシア政府はGAM掃討作戦を実施、多くの犠牲者が出た。04年12月に起きたスマトラ島沖地震津波により当地域が甚大な被害を受け、世界から注目されたことがきっかけとなり、05年1月よりフィンランドヘルシンキで和平協議が再開、同年8月和平文書調印が行われた。

[別技篤彦]

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