日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ニコライ(Alwin Nicolais)
にこらい
Alwin Nicolais
(1912―1993)
アメリカの舞踊家、振付師。コネティカット州サウシントンに生まれる。無声映画のピアニストなどをしたのち、M・ウィグマンの公演を見て舞踊家に転向。1937年に自身の舞踊団を創設、48年ニューヨークのヘンリー・ストリート・プレイハウスを根城にアメリカ現代舞踊の一角を築いた。代表作に『万華鏡』(1956)、『トーテム』(1960)など。作風はM・グレアムなどの表現的な傾向とは違う抽象的なもので、肉体をデフォルメした形態の変化と光を強調したものである。映像作家E・エムシュウィラーの映画『テント』(1968)などには、被写体としてニコライの作品が使われている。
[市川 雅]