鏡を用いた玩具の一種。カレイドスコープkaleidoscope。円筒の中に細長い3枚の平面鏡を,鏡面を内側にして正三角形にはめこみ,筒の一端をすりガラスでおおい,他の端におもにガラスなどの透明で小さな色片を数多く入れる。筒を明るい方向に向けてのぞき穴から見ると,色片が三つの鏡面に写って見える。筒を回すとそれがさまざまに位置を変化させ,同じ模様がふたたび現れず,美しく見えるのでこの名がある。1816年イギリスの物理学者ブルースターDavid Brewster(1781-1868)が発明したという。日本には江戸末期に渡来した。1850年(嘉永3)高野長英訳の《三兵答古知幾》には〈可烈以度斯可布(カレイドスカフ)〉とある。明治期に入って,はじめは〈百色眼鏡(ひやくいろめがね)〉の名で人気をあつめ,さらに改良したものが〈ばんかきょう〉とも呼ばれ,1891-92年ころに流行した。また,〈錦眼鏡(にしきめがね)〉ともいわれ,国産品がつくられるようになって子どもの玩具になった。
執筆者:斎藤 良輔
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カレイドスコープkaleidoscopeの原理を応用してつくった玩具(がんぐ)。「ばんかきょう」ともいう。円筒の中に長方形のガラス板を三角に組み込み、筒の一方の端をすりガラスで覆う。ほかの端に彩色した紙やガラスなどの小片を数多く入れ、筒をのぞきながら回転していくと、内部のきれいな色ガラスの模様の像の位置が動き、さまざまに変化して見える。しかも同じ模様がふたたび現れないので、この名がついた。カレイドスコープは、イギリスの物理学者ブルースターD. Brewster(1781―1868)が発明したものといわれる。光の性質を応用した科学玩具で、日本には江戸時代の末ごろ渡来した。1850年(嘉永3)高野長英が訳した『三兵答古知幾(タクチーキ)』には、「可列以度斯可布(カレイドスカフ)」と出ている。明治の初めには「百色眼鏡」の名で人気を集めた。輸入品を模した国産品も出回ってきて、これを改良、進歩させたものが万華鏡とよばれ、1891、92年(明治24、25)ごろ子供の玩具として流行、「錦(にしき)眼鏡」ともいわれた。
[斎藤良輔]
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