ニョルズ

百科事典マイペディア 「ニョルズ」の意味・わかりやすい解説

ニョルズ

北欧神話の豊穣神,富裕神また海神バン神族の有力な神格で,ノーアトゥーン(停泊地)に住み,風を支配し海を静める力をもつ。のち,海運商業守護神ともなった。
→関連項目アース神族フレイ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニョルズ」の意味・わかりやすい解説

ニヨルズ
Njörd

北欧神話の神。豊穣神の種族であるバナ神族統領で,フレイ神とフレイヤ女神の父。アサ神族とバナ神族が太古に戦ったのち和睦すると,2柱の子の神たちとともにアスガルズに住み,アサ神族のなかで主神格の地位を与えられた。海辺のノアツンに館を構え,海と漁,交易などのことを司るとされたが,富と豊穣全般に関係する神としても,しばしば息子のフレイと並んで祭祀された。

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世界大百科事典(旧版)内のニョルズの言及

【アース神族】より

スノッリ・ストゥルルソンの《エッダ》の〈ギュルビたぶらかし〉によると,14の男神と後にふれる女神たちを含む。男神の中ではオーディンとトールがとくに活躍するが,そのほかにバルドル,ニョルズNjörðr(風,海,火,豊饒の神),フレイFreyr(豊饒と平和の神),チュールTýr(戦士の神),ブラギBragi(雄弁と詩の神),ヘイムダル,ホズ(盲目の神。ヤドリギでバルドルを射る),バーリ(ホズを討つ),ビーザル(怪狼を倒しオーディンの仇を討つ),ウルUllr(名射手),フォルセティ(和解の神),ロキ。…

【バン神族】より

…北欧神話でアース神族に対立する神族。豊饒,富,幸福をつかさどる神々で,ニョルズNjörðr,その子フレイFreyr,フレイヤなどがこの神族に属する。神々の世界を歴史化して描いたスノッリ・ストゥルルソンの《ユングリンガ・サガ》によれば,ニョルズは妹との間でフレイとフレイヤを生んだ。…

【北欧神話】より

…その名は英語の火曜日Tuesdayに残されている。そのほかに風の動きを支配し海や火を鎮める神ニョルズNjörðr,その子で豊饒と人間の幸福をつかさどる神フレイFreyr,女神フレイヤがいる。女神フリッグFrigg(金曜日Fridayの語源)はオーディンの妻で,二人の間に生まれたのが光の神バルドルである。…

※「ニョルズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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