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ノンノス Nonnos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ノンノス
Nonnos

5世紀のギリシアの詩人。エジプトのパノポリス出身。叙事詩『ディオニュソス物語』 Dionysiaka (48巻) に,酒神ディオニュソスに関するすべての神話を集め,特にインド遠征を扱った。作品全体としての構成力には欠けているけれども,各部分の叙述技法は高度に洗練されており,ギリシア叙事詩の伝統の最後を飾るものと評されている。

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百科事典マイペディアの解説

ノンノス

5世紀ころのギリシアの詩人。《ディオニュソス物語》という巨大な叙事詩,また,《ヨハネによる福音書》の韻文訳の作者。ギリシア詩の韻律が母音の長短から強弱のアクセントに変わった先ぶれとなった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ノンノス
のんのす
Nonnos

生没年不詳。5世紀ごろのギリシアの詩人。エジプトのパノポリス出身。代表作『ディオニソス物語』48巻は、ディオニソスによるインド征服を主題に、この神のあらゆる神話、伝説を語る大叙事詩である。ホメロスの影響が大きいが、1人の人物を中心にさまざまな事件をまとめる形式には、緊密な詩的構成が欠けている。その韻律は当時のギリシア語アクセントの変化を示す。晩年キリスト教に改宗し、叙事詩風韻律で書き改めた『ヨハネ伝』を著した。[岡 道男]

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世界大百科事典内のノンノスの言及

【ディオニュソス譚】より

…5世紀のギリシア詩人ノンノスNonnosの長編叙事詩。全48巻。…

【ビザンティン文学】より


[フィロロギー]
 ギリシア古典の維持と奨励のため,文法(マヌエル・モスコプロスの《文法問答》,トマス・マギステルの《アッティカ語名詞・動詞撰》),正書法(ヨハネス・ハラクス,テオグノストス),辞書(フォティオスや,いわゆるスイダスないしスダ)などのほか,古典の校訂と注釈(ヨハネス・ツェツェス,テッサロニキのエウスタティオスのホメロスに対するもの,プラヌデスのヘシオドス,エウリピデス,ソフォクレス,アリストファネスに対するもの)並びに抜粋(フォティオスの《千書》や,10世紀末コンスタンティノープルで編纂された,前1世紀からビザンティン時代に及ぶギリシア・エピグラム集《パラティナ詞華集》)などがある。
[文学]
 韻文,散文での(ただし両者の境界は必ずしもそれとして意識されなかった)いわゆる文学作品としては,まず叙事詩として,神話に取材したノンノスNonnos(5世紀)の《ディオニュソス譚》,ヨハネス・ツェツェスIōannēs Tzetzēs(1110以降‐80以降)の《アンテホメリカ・ホメリカ・ポストホメリカ》,史実に取材したゲオルギオス・ピシデスGeōrgios Pisidēs(?‐631か634)のヘラクレイオス帝賛歌や,コンスタンティノス・マナセスKōnstantinos Manassēs(1130ころ‐87)の韻文年代記などがある。 ロマンでは,古代末期のアキレウス・タティオス,ヘリオドロスの系統を引き,12世紀に突然開花する幻想的手法の恋愛ロマンとして,15ないし12音節詩のコンスタンティノス・マナセスの《アリスタンドロスとカリテア》,テオドロス・プロドロモスTheodōros Prodromos(12世紀)の《ロダンテとドシクレス》,ニケタス・エウゲニアノスNikētas Eugenianos(12世紀)の《ドロシラとハリクレス》,散文形式のエウマティオス・マクレンボリテスEumathios Makrembolitēs(12世紀後半)の《ヒュスミネとヒュスミニアス》がある。…

※「ノンノス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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