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ハッスーナ期 ハッスーナきHassuna period

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハッスーナ期
ハッスーナき
Hassuna period

西アジアのジャルモ期に次ぐ農耕村落文化。ハッスーナ式標準土器によって特徴づけられる。これは乳白色の化粧土の上に,赤色,黒褐色の彩文,刻線文,あるいは両者を併用して,平行斜線,斜格子,ジグザグ文などにより種々の幾何学文を施した土器である。遺跡はイラク北部にかなりの分布がみられ,農耕牧畜の発展段階と解される。実際,初期の層で穀物 (小麦類,大麦類) や家畜化された獣骨 (羊,やぎ,牛,豚) が発見されている。農耕具としては撥形の打製石斧 (石鍬) ,石鎌,石臼,石杵,すり石が用いられた。また粘土製の投弾や石鏃を使って狩猟も依然として行われた。ハッスーナ遺跡の最下層では明瞭な家屋址は認められなかったが,ヤリム・テペやテル・エス・サワンで標準土器に先行する粗製無文土器の出土する初期の集落址が発見された。それはかなりの規模の整った村落である。前者はまだ練り土で壁を造っていたが,後者は日干し煉瓦を使用。壁や床は泥で上塗りをし,壁の外側にはオリエント建築の特徴である控壁を設けるなど建築の進歩が著しい。また上層では穀物倉の出現や村全体に防御用囲壁がめぐらされていたことが指摘されており,かなり発達した村落を形成したところもあったことが知られる。この時期の中葉以降ではサーマッラー式と呼ばれる美しい彩文土器も使用された。なおジャルモ期とハッスーナ期との間に時間的,文化的なへだたりがあるとされてきたが,ウム・ダバギヤー文化など両者をつなぐ文化も発見されつつある。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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