ハルトル(読み)はるとる

日本歴史地名大系 「ハルトル」の解説

ハルトル
はるとる

漢字表記地名「春採」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか湖沼名としても記録されている。当地一帯は近代に入り釧路村に包含された。仮名表記は「ハルトル」(木村「蝦夷日記」、「蝦夷日誌」一編、「廻浦日記」など)のほか「ハルトロ」(観国録)がある。板本東蝦夷日誌」は語義について「ハルは黒百合あんらころ赤沼蘭はらてき山慈姑えとらん、其外種々の喰草を言、此草多き故号しか、ウトルは沼也」と記す。「蝦夷日誌」(一編)には「又傍にトドによく似たる岩有、アルウトルと云り」という記述もある。沼の様子や魚類については「此上ニ沼有。凡三丁ニ四丁計也。蘆葦外く生たり」(「蝦夷日誌」一編)、「ハルトル沼廻り一八丁ベンケトウと言、此沼に魚類は・小海老、シミヤチエフと云小魚有、此魚何かしらず、形鮎に似てまた一種の物也」(板本「東蝦夷日誌」)とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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