釧路市(読み)クシロシ

デジタル大辞泉 「釧路市」の意味・読み・例文・類語

くしろ‐し【釧路市】

釧路

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「釧路市」の解説

釧路市
くしろし

面積:二二一・七〇平方キロ

大正一一年(一九二二)八月釧路区が区制を廃して釧路市となる。釧路支庁の南に位置し、南部は太平洋に臨む。北は阿寒あかん鶴居つるい村・阿寒町、東は釧路郡釧路町、西は白糠しらぬか郡白糠町と接する。東部に国立公園釧路湿原が広がり、それより南流する釧路川が市街地で釧路港に注ぐ。その東に旧釧路川の河口部があり、さらに東に春採はるとり湖がある。西部では阿寒川が南流し、河口部付近で大楽毛おたのしけ川を合せる。海岸部をJR根室本線が通り、釧路駅で同釧網せんもう本線が分岐する。根室本線に並行して国道三八号が通り、三八号から国道二四〇号(まりも国道)が分岐、市北西部で主要道道釧路空港線が分れて釧路空港に通じる。市街地の南東部で国道四四号が釧路町方面に延びる。春採東部から春採湖南岸を経て知人しりと岬に至る太平洋石炭販売輸送釧路臨港たいへいようせきたんはんばいゆそうくしろりんこう鉄道がある。

市域は近世にはクスリ場所に属し、明治二年(一八六九)八月の国郡画定により釧路国釧路郡に所属。同五年までに釧路村・桂恋かつらこい村などが成立していたとされる。同八年こめ町、同一五年真砂まさご町・幣舞ぬさまい町などが置かれ釧路市街が形成された。同一七年七月釧路村から鳥取とつとり村が分立。同三三年七月米町・釧路村・桂恋村など五町二ヵ村が合併して釧路町となる。大正九年七月釧路町が区制を施行、釧路区となる。


釧路市
くしろし

2005年10月11日:釧路市と白糠郡音別町、阿寒郡阿寒町が合併
【音別町】北海道:釧路支庁
【阿寒町】北海道:釧路支庁
【釧路市】北海道:釧路支庁

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「釧路市」の意味・わかりやすい解説

釧路〔市〕
くしろ

北海道東部,太平洋に面する市。西隣の白糠町南西部に飛び地がある。釧路総合振興局の所在地で,道東最大の都市。1922年市制。1949年鳥取町を編入。2005年阿寒町,音別町と合体。地名はアイヌ語クッチャロ (のどの意) に由来。寛永12 (1635) 年松前藩漁場を開設,久寿里 (くすり) 場所と称したのが始まり。第2次世界大戦後は大企業が進出し,北洋漁業の基地に発展。サンマ,イカ,カレイ,ホッケなどの水揚げが多く,サケ,マスの缶詰など水産加工業も盛ん。北部および西部の飛び地では林業や酪農が行なわれる。臨海工業地区には,パルプ製紙,化学肥料などの工場が進出。この付近は夏季に海霧 (ガス) が発生し,霧の町としても知られる。釧路湿原は 1987年に国立公園 (→釧路湿原国立公園) に指定され,タンチョウ (国指定特別天然記念物) をはじめとする野鳥の繁殖地で,春採湖はヒブナ生息地 (国指定天然記念物) として有名。1993年6月にはラムサール条約の第5回締約国会議が市内で開催された。市域北部には国指定特別天然記念物のマリモが生息する阿寒湖があり,付近一帯は阿寒国立公園に属する。またモシリヤ砦跡鶴ヶ岱チャランケ砦跡春採台地竪穴群東釧路貝塚北斗遺跡など遺構も多く,いずれも国の史跡に指定されている。アイヌ古式舞踊は国指定重要無形民俗文化財。JR根室本線が通り,釧網本線が分岐。国道38号線の終点,44号線,240号線,391号線の起点があり,274号線が通る。釧路空港がある。面積 1363.29km2。人口 16万5077(2020)。

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