はる
〘助動〙 (活用は、「ら・り・る・る・れ・れ」)
尊敬の意を表わす。現在では、ほとんど
敬意を伴わないで用いることも多い。多く関西地方で用いる。
(イ) 四段
動詞の
未然形に付く。「書かはる」「読まはる」
※大内旅宿(1907)〈
高浜虚子〉「自分の事のやうにして働かはるので
此家の為にもなりますし」
(ロ) 四段活用の連用形に付く。「往にはる」「飛びはる」
※
太政官(1915)〈上司小剣〉一「二人ながら知りはらんのか」
(ハ) 四段以外の動詞連用形に付く。動詞が一音節の時は、
長音になる。「起きはった」「植えはった」「見(
ミー)はらへん」「来(キー)はるやろ」
(ニ)
助詞「て」に付く。…ていなさる。「寝てはった」「酔うてはる」
※
兵隊の宿(1915)〈上司小剣〉六「母アちゃん芝居してはるのや」
[
補注](1)(イ)は、補
助動詞「なさる」が変化した「やはる」が四段動詞の連用形に付いて、拗音化し(例、書きやはる→書きゃはる)、さらに直音化したもの(書きゃはる→書かはる)。
(2)(ロ)(ハ)(ニ)は、(イ)で成立した助動詞「はる」を「なさる」と同様に接続させて用いるようになったもの。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例