バンカメリカ会社(その他表記)Bank America Corp.

改訂新版 世界大百科事典 「バンカメリカ会社」の意味・わかりやすい解説

バンカメリカ[会社]
Bank America Corp.

世界トップ・クラスの商業銀行バンク・オブ・アメリカBank of America National Trust and Saving Associationの持株会社で,1969年に設立された。本社サンフランシスコ。創業は,1904年にイタリア移民の子ジャンニーニAmadeo Peter Giannini(1870-1949)がサンフランシスコのノース・ビーチに資本金15万ドルで設立したバンク・オブ・イタリーBank of Italy(1927年にBank of Italy National Trust and Saving Associationに改組)にさかのぼる。ジャンニーニの,小口の預金融資などのリテール業務を重視する経営は,06年のサンフランシスコ大震災の際の同市復興金融での同行の活躍を契機として評価を高めた。27年の銀行の州際業務を禁じたマクファデン法の成立と相前後して,Liberty Bank of Americaほか数行と合併し,全米第3位の国法銀行となった。そして,30年のBank of America of Californiaとの合併までに現在のBank of Americaの原形となる広範な支店網がつくられた。36年,息子のローレンスLawrence Mario Giannini(1894-1952)の手に経営が移って後もリテール銀行としての伝統は引き継がれ,個人金融,住宅金融で先駆的な活動をみせ,58年にはバンカメリカード(のちのビザ・カードVisa Card)を開発している。一方,第2次大戦中の太平洋岸での航空機産業の発展以後,重工業部門への融資も飛躍的に拡大し,またやや遅れたものの60年代には積極的な海外支店網の拡充に努めた結果,国内約2000店,国外100店余りを有する世界でもトップ・クラスの銀行に成長した。持株会社としては,1919年のBancitalyの設立に始まり,28年Transamerica Corp.に変わり,のちに,消費者金融,リーストラベラーズ・チェック,保険などの業務を営むバンカメリカに引き継がれている。リテール銀行として最大の預金額規模を誇るバンク・オブ・アメリカであるが,シティ・バンク(シティコープ)との競争が激化しており,機械化による効率化,証券業務への取組みなど合理化への活発な動きをみせてきた。98年にはネーションズ・バンク(アメリカの銀行持株会社では第3位)と合併し,新しい持株会社バンク・オブ・アメリカが発足した。新会社の総資産1兆1105億ドル,預金残高6186億ドル(2004年12月)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバンカメリカ会社の言及

【ジャンニーニ】より

…世界最大級の銀行バンク・オブ・アメリカ(バンカメリカ)の創設者。イタリア移民の子としてアメリカのカリフォルニア州に生まれ,若いころは農産物を取り扱う父親の事業に従事した。…

※「バンカメリカ会社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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