2010年に登録された世界遺産(文化遺産)。太平洋中西部の島国マーシャル諸島初の世界遺産。第二次世界大戦が終わり、東西冷戦の兆しが見え始めた1946年、アメリカは周辺住民を移住させ、ビキニ環礁で核実験を開始した。1958年まで67回にわたって行われ、一連の規模は広島型原爆7000個分に匹敵するとされる。多くの人々の健康被害とともに、1946年の実験で水底に沈んだ船、1954年の水爆実験ブラボーによる巨大なクレーターなどが現在も深い傷跡となって残されている。地上の楽園と称えられるこの地は、核の時代の幕開けを象徴する場所でもある。◇英名はBikini Atoll Nuclear Test Site