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ビデオ・アート video art

翻訳|video art

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビデオ・アート
video art

ビデオ装置を活用した芸術。ビデオとは「見る」というラテン語からきた言葉で,主としてテレビジョン・システムによって伝達される画像と音声,もしくは画像のみを指す。ただし,画像や音響を記録する磁気テープそのものをこう呼ぶこともある。 1963年,韓国生まれのナム・ジュン・パイクは,テレビ画面を磁気的なゆがみで操作する『変形する受像機』を発表,ビデオ・アートの先駆けを成したが,本格的な幕開けは,画像と音声を磁気テープ上に記録するビデオ装置が市販されるようになってからである。 60年代後半以降,美術や映画,コンピュータなどに携わっていた人々がこの分野に参入,実験的な作品を生み出した。フィルムに比べ,収録・編集・変換が容易にできるビデオには,新しい表現の可能性が秘められている。表現形態は多彩で,1台のモニタに映像作品を映すものばかりではない。環境装置としてモニタを配置するビデオ・インスタレーションや,遠隔地と映像交信するテレ・コミュニケーションなど,さまざまな試みが発表されている。近年では,作家の個展やビデオ・フェスティバルも開かれるようになってきた。

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百科事典マイペディアの解説

ビデオ・アート

ビデオを表現手段として用いる芸術。先駆的アーティスト,ナムジュン・パイクは,1960年代からテレビのモニターを取り入れたパフォーマンスや複数のモニターを積み上げたり並置するインスタレーションを行ってきた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ビデオ・アート
びでおあーと
video art

ビデオ映像、モニターを応用するテクノロジー・アートテクノロジカル・アート)の一種。1958年にフォステルWolf Vostell(1932―1998)が白黒テレビの画像を加工したのが最初ともいわれるが、一般には1963年にナム・ジュン・パイク(白南準(ペクナムジュン))がテレビ受像機を用いた個展を開催、翌々年ニューヨークでビデオを上映したのが、ビデオ・アートの始まりとされる。
 映画とは異なり、容易に収録、編集、変換ができることから、ブラウン管上の映像表現に限らず、リアルタイム(即時)性を生かしたビデオ・パフォーマンス、モニターを空間的に配置するビデオ・インスタレーション、ビデオ彫刻、遠隔地との同時交信映像によるビデオ・テレコミュニケーションなどの表現手法があり、いずれにおいてもナム・ジュン・パイクが先駆的役割を果たしてきた。
 今日では、ビデオ・カメラの高性能化・小形化、モニターの大形化・液晶化、ビデオ・プロジェクターの普及に伴い、テープ作品のみならず多様な展開がなされている。コンピュータを利用した映像をいち早く手がけたエムシュワイラーEd Emschwiller(1925―1990)、審美的な映像のビオラBill Viola(1951― )、額縁に入れた小形液晶モニターに動くポートレートを表示するセント・ジェームズMarty St.James(1954― )、複数のモニターを用い日常をコミカルに表示するソランPierrick Sorin(1960― )、縫いぐるみの顔にプロジェクターで奇妙な表情を映し出すアウスラーTony Oursler(1957― )らが、それぞれの特性を生かした独自な作品で知られている。
 日本では、1972年に結成されたグループ「ビデオひろば」に加わった山口勝弘(1928― )が大規模なインスタレーションを展開し、また1978年の「東京国際ビデオアート」展(東京・銀座ソニービル)で中心的な役割を果たした。初期に活動した中谷芙士子(なかたにふじこ)(1938― )はビデオギャラリー「SCAN」を主宰し、1985年にビデオ・パフォーマンスの山本圭吾(けいご)(1936― )は「ふくい国際ビデオ・フェスティバル」を立ち上げた。ほかに前衛映画(実験映画)から転じた松本俊夫(1932―2017)はコンピュータ制御による合成装置を用いた変換画像で、飯村隆彦(1937― )はコンセプチュアルな作品で、アメリカ在住の久保田成子(しげこ)(1937―2015)はインスタレーションで知られている。
 映像機器のデジタル化に伴い、ビデオによる実写映像とコンピュータ生成画像との融合も進みつつある。[三田村右]

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