ピエモンテ[州](読み)ピエモンテ

百科事典マイペディア 「ピエモンテ[州]」の意味・わかりやすい解説

ピエモンテ[州]【ピエモンテ】

イタリア北西部の州。州都トリノ。北,西をアルプス山脈,南をアペニン山脈に囲まれ,東にポー川流域の平野が開ける。アルプスの山々には古くからの峠道が開け,歴史的にもこの地方とフランス,内陸ヨーロッパとの関係は密接。所得水準の高い先進地域であるが,農業は過疎の進んでいる山岳部の零細な小麦,牧畜から,ポー川流域の平野部での大経営による米作や,果樹,野菜などの栽培まで多彩である。工業は19世紀に北部丘陵地域で豊富な水力発電を背景に繊維工業が起こった。機械金属および自動車工業とその関連部門が州の工業生産の約半分を占め,トリノ県に集中している。近年,航空機,電子工業などの先端技術産業の発展も見られる。ローマ時代すでにイブレアやトリノに植民が行われていたが,フランク族の支配を受け,11世紀に現在のフランスのサボア地方を支配していたサボイア家が進出し,徐々に同家の支配域が拡大した。16世紀以降同家はトリノを首都とし,1718年にはサルデーニャを領有して,サルデーニャ王国となった。19世紀後半,首相カブールのもとで近代化が図られ,イタリア統一(リソルジメント)運動が進められた結果,イタリア王国が成立。統一時に王家発祥の地であるサボア地方をフランスに割譲。面積2万5399km2,436万3916人(2011)。

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