ピタゴラス主義(読み)ピタゴラスしゅぎ(その他表記)pythagoreanism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピタゴラス主義」の意味・わかりやすい解説

ピタゴラス主義
ピタゴラスしゅぎ
pythagoreanism

ピタゴラス学派の教説。学派の創設者ピタゴラスや初期の学徒は,霊魂輪廻転生浄化思想基調とするオルフェウス教を背景に,宇宙と人生の最高の法則としての調和均整の理念に基づき,世界の原理として数を措定し,数学などの研究を行うとともに,ソクラテスのならうところとなった真の愛知的活動としての哲学 philosophiaを新たに確立したといわれる。また研究の手掛りとして霊魂に及ぼす音楽の作用に着目し,最も基本的な音程比が6:8:9:12であることを発見した。ピタゴラス主義は前1世紀ローマとアレクサンドリアにおいて,プラトン,アリストテレス,ストア派の哲学的影響のもとに再生するが,新プラトン主義に吸収された。

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世界大百科事典(旧版)内のピタゴラス主義の言及

【ピタゴラス】より

三平方の定理(ピタゴラスの定理),ピタゴラス数,無理数の発見などのほか,数論と結びついた音階理論が特に有名であるが,近年は古代メソポタミアの数学の影響も注目されており,その独創性についての評価は定めがたい。 数を万物の原理とみなすピタゴラス主義は,以降のヨーロッパ思想史,科学史に決定的な影響を与えた。エンペドクレスの四大論,デモクリトスの原子論,ソクラテス,プラトンの哲学もその圏内にある。…

※「ピタゴラス主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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