デジタル大辞泉 「フィロソマ」の意味・読み・例文・類語 フィロソマ(phyllosoma) イセエビ類の孵化ふか後の幼生。透明で、腹部はまだ発達せず、付属肢がよく発達している。1年近く浮遊生活をし、プエルルス幼生に変態してから底生生活に移行する。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィロソマ」の意味・わかりやすい解説 フィロソマphyllosoma 軟甲綱十脚目イセエビ科とウチワエビ科の初期幼生。扁平葉状で半透明。孵化直後の体長は 1.5~3mm。体は,(1) 卵円形の甲に覆われた頭部と第1胸節,第2胸節,(2) 円盤状の胸部,(3) 小さい腹部,の 3部分に分かれる。(1)はノープリウス眼(→ノープリウス),有柄の一対の複眼,棒状の第1触角,第2触角をもち,(2)には細長い遊泳用の 4胸脚が発達している。浮遊生活をするが,脱皮を繰り返しながらの期間が長く,プランクトンネットで採集したものの種の同定は困難である。アメリカ合衆国,オーストラリア産の種については,9~10ヵ月間に 11期を経てプエルルスに成長するという報告があり,日本産のイセエビでも,孵化後ちょうど 1年かかってプエルルスまで成長する。実験的にはさらに稚エビに変態させることに成功しているが,商業的な多数個体の飼育は研究中である。(→甲殻類,十脚類,節足動物,軟甲類) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報