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フェミニスト人類学 フェミニストじんるいがくfeminist anthropology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェミニスト人類学
フェミニストじんるいがく
feminist anthropology

女性人類学とも呼ばれることがあるが,研究対象は女性に限られるわけでなく,男女間の性的差異に関連するすべてが対象に入る,最近の人類学の新しい潮流の一つ。 1960年代に再台頭したフェミニズム (女性解放運動) の広がりを反映して,主に女性人類学者たちによる,未開・農民社会を対象とした研究・考察が急激に増加し,男性的視座に傾斜しがちであった従来の人類学研究に対して,男性中心主義を批判し,女性の視点を考慮した新しい統合的アプローチの開拓が提唱された。そういった新たな視点からの民族誌や多様な理論的成果のうちでも,多くの社会で観察される性的非対称性,すなわち男性優位・女性劣位が普遍的であるかどうかは最も多くの論議を呼んできた主題の一つである。女性の象徴的な役割を自然:文化=女性:男性という図式から女性の文化的劣位性を説明する立場や,普遍主義に反対し男性支配を何らかの社会的・歴史的要因に求めるマルクス派人類学の立場などからさまざまな議論が提出されている。

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