フジロック(読み)ふじろっく(その他表記)FIJI ROCK FESTIVAL

知恵蔵 「フジロック」の解説

フジロック

1997年に富士天神山スキー場(山梨県、現・ふじてんスノーリゾート)で行われ、以後、毎年7月下旬~8月上旬に開催されている。日本のロック・フェスティバルの先駆け。98年の2回目は東京ベイサイドスクエアが、99年の3回目以降は新潟県の苗場スキー場が会場となったが、名称は初回のまま「フジロック」とされている。また、音楽のジャンルとしてもロックだけでなく、ポピュラー音楽を広く、ジャズや民族音楽も楽しめる構成となっている。現在、毎年延べ10万人以上が訪れる熱狂的なファンの多いイベント。
メーンの野外ステージである「GREEN STAGE」を始めとして、深夜はDJ パフォーマンスが行われる屋内の「RED MARQUEE」、地酒片手に楽しめるアットホームな「苗場食堂」など、それぞれの特徴を持つ10のステージを舞台に、3日間で200組以上のアーティストが同時進行で出演する。当然、全てを観ることは不可能で、移動して複数観る計画を立てても予定通りに進まない可能性もある。だが、日常生活と離れた自然の中で、来場者がそれぞれのスタイルで音楽を楽しむことができる魅力は多くのリピーターを呼び、中高年の来場者も多い。
2011年は7月29~31日に開催され、YMOや東京スカパラダイスオーケストラなどが出演した。東日本大震災の影響での海外からのアーティストのキャンセルが心配されたが、キャンセルは1件のみにとどまり、英国の人気ロックバンドであるコールドプレイやフェイセズ、アメリカのブルースギタリストの大御所バディ・ガイなども来日、豪華な顔ぶれとなった。元ビートルズのリンゴスターの孫娘ターシャ・スターキーが所属する英国のバンドベラキスも出演した。

(菘(すずな)あつこ  フリーランス・ライター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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