地酒(読み)ジザケ

デジタル大辞泉 「地酒」の意味・読み・例文・類語

じ‐ざけ〔ヂ‐〕【地酒】

その地方でつくられる清酒。特に、なだ伏見ふしみを除いた地方のものをさす。
[類語]酒類さけるい酒類しゅるい般若湯アルコール御酒お神酒銘酒美酒原酒忘憂の物醸造酒蒸留酒混成酒合成酒日本酒清酒濁酒どぶろく濁り酒生酒新酒古酒樽酒純米酒灘の生一本本醸造酒吟醸酒大吟醸冷や卸し屠蘇とそ甘露酒卵酒白酒甘酒焼酎泡盛ビール葡萄酒ワインウイスキーブランデーウオツカラムテキーラジン焼酎リキュール果実酒梅酒薬酒やくしゅみりん白酒しろざけ紹興酒ラオチューマオタイチューカクテルサワージントニックジンフィーズカイピリーニャマティーニ

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精選版 日本国語大辞典 「地酒」の意味・読み・例文・類語

じ‐ざけヂ‥【地酒】

  1. 〘 名詞 〙 その土地でつくられる酒。その土地独特の酒。いなか酒。
    1. [初出の実例]「凡京師井水、其性清而柔、其味淡而芳。以斯水酒。故其味甘美。惣謂京酒、又称地酒。凡其地出生、其所造醸、惣謂地」(出典雍州府志(1684)六)
    2. 「樵夫(きこり)の為に村醪(ヂザケ)も暖めれば」(出典:藁草履(1902)〈島崎藤村〉二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地酒」の意味・わかりやすい解説

地酒(鹿児島県特産の醸造酒)
じしゅ

鹿児島県特産の醸造酒。清酒を上酒(かみざけ)というのに対する名称で、地元鹿児島県では「じざけ」という。かつては宮崎県でもつくられたが、いまはない。清酒と赤酒(あかざけ)(熊本県産)の中間的な性格の酒である。原料は米。仕込みは清酒同様に初添(はつぞえ)、仲添(なかぞえ)、留添(とめぞえ)と3段に分けて行う。1か月かけて熟成させたのち、柱焼酎(はしらしょうちゅう)といって焼酎を約1%(現在では30~40%のアルコールで代替)、木灰汁(あく)(樫(かし)材の灰)や糖液を加え、1週間後にこのもろみ布袋に入れて圧搾する。焼酎、木灰汁を加えるため、腐敗しにくいから、清酒と異なり、火入れ(加熱殺菌)をしない。寒季の10月~2月に製造する。色は清酒より濃い淡黄色で、甘味が強い。神事祝儀や一般の飲用のほか料理に用いられ、郷土料理「酒(さか)ずし」には欠かせないものである。1980年(昭和55)ころ県下4社で約350キロリットル製造されており、アルコール分は14%前後。酒税法上、戦前は清酒に分類されていたが、のちにリキュールに、現在では雑酒に分類されている。

[秋山裕一]


地酒(地方で醸造される酒)
じざけ

地方で醸造される酒。清酒の主産地で、ナショナルブランドの多い灘(なだ)(神戸市)や伏見(ふしみ)(京都市)の酒に対し、それ以外の地方でつくられる清酒をいう。近年、醸造技術が進歩し、地酒の酒質も向上し、また、地方色が喜ばれている。たとえば、高知、富山、新潟県は辛口、瀬戸内海沿いの酒は甘口本州の中部山岳地帯の諸県では濃口のタイプが多く、地方色がある。吟醸(ぎんじょう)酒、純米酒、やわくちなどの細かい技術と手間をかけた酒がつくられている。

[秋山裕一]

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日本の郷土料理がわかる辞典 「地酒」の解説

じざけ【地酒】


特定地域でつくられる日本酒。その土地の酒。一般に、全国的に流通する大手メーカーの製品や、日本酒の主産地である兵庫県の灘や京都府の伏見以外でつくられる日本酒をいう。
➁鹿児島特産の灰持酒。◇「じしゅ」ともいう。

じしゅ【地酒】


じざけ➁。⇒じざけ

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飲み物がわかる辞典 「地酒」の解説

じざけ【地酒】


➀特定の地域でつくられる日本酒。その土地の酒。一般に、全国的に流通する大手メーカーの製品や、日本酒の主産地である兵庫県の灘や京都府の伏見以外でつくられる日本酒をいう。
➁鹿児島特産の灰持酒。◇「じしゅ」ともいう。

じしゅ【地酒】


じざけ➁。⇒じざけ

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事典・日本の観光資源 「地酒」の解説

地酒

(青森県)
あおもり魅力百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の地酒の言及

【赤酒】より

…灰の効用により酒の保存性がよいので灰持酒(あくもちしゆ)ともよばれる。同様な酒に,鹿児島,宮崎両県の地酒(じしゆ),石川県の七尾酒,島根県の地伝酒(じでんしゆ)などがある。この酒の起源を朝鮮半島とする民間説話も多いが,蒸米,米こうじ,水でもろみをつくり,熟成後久佐木(くさき)の灰を加えて搾る黒貴(くろき)の酒が,灰を加えない白貴(しろき)の酒とともに宮中の新嘗会(しんじようえ)に献進されたと《延喜式》(8世紀初頭)にあり,赤酒は清酒の原形の一つと考えられる。…

【すし(鮓∥鮨)】より

…祭ずしは瀬戸内海の魚貝類を豊富に使い,御贄ずしと酒ずしは飯と具を合わせたのち,おもしをかけて数時間馴れさせる。ただし,御贄ずしは飯,具ともに酢を使うのに対し,酒ずしは酢を使わず,特産の地酒(じしゆ)を用いるのが特徴である。蒸しずしは,ちらしずしを蒸して温めた形のもので,〈ぬくずし〉とも呼ばれ,大阪,京都をはじめ関西各地で行われている。…

※「地酒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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