フナフティ島(読み)ふなふてぃとう(英語表記)Funafuti

改訂新版 世界大百科事典 「フナフティ島」の意味・わかりやすい解説

フナフティ[島]
Funafuti Island

太平洋中部の独立国ツバル(旧,エリス諸島)の首都が置かれている島。南緯8°25′,東経179°15′に位置する洋梨形の環礁で,約30の小島から成り,総面積2.8km2人口4500(2002)。この国唯一のホテル,病院,飛行場などがある。礁湖内は安全な港となっているが,礁湖に入る水路は危険である。1860年代に約300人いた住民のうち200人近くを奴隷船に誘拐されたが,後に同じポリネシア系のサモア人,トケラウ人,マニヒキ人などが入植した。最近は現金収入を求めて他島より移住する人が多いため人口増加が著しい。シドニー大学のデービッドEdgeworth Davidは,1897-98年にこの島でサンゴ礁起源に関するC.ダーウィンの説を証明するために実験調査を行い注目された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フナフティ島」の意味・わかりやすい解説

フナフティ島
ふなふてぃとう
Funafuti

太平洋中部、赤道のすぐ南にあるエリス諸島の主島。南北20キロメートル、東西18キロメートルの環礁で、30の小島からなる。1978年に独立したツバル領の島で、同国の首都が置かれている。1860年代には300人いたという人口が奴隷として連れ去られ、一時100人にまで減った。のちエリス諸島内のほか島々サモア諸島からの移住が相次ぎ、現在の人口は4900(2001推計)である。やせた砂地ココヤシしか育たない。

[大島襄二]


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