化学辞典 第2版 「フロログルシノール」の解説
フロログルシノール
フロログルシノール
phloroglucinol
1,3,5-benzenetriol.C6H6O3(126.12).各種の植物成分中に配糖体として存在し,フロレチンの分解によって得られた.合成的には,1,3,5-トリニトロベンゼンを還元してトリアミノベンゼンとし,塩酸塩を水と煮沸して加水分解すると得られる.融点216~219 ℃.pKa1 7.97,pKa2 9.23(20 ℃).エタノール,エーテル,熱水など可溶.塩化鉄(Ⅲ)により紫色を呈し,フェーリング液を還元する.空気中で着色しやすく,とくにアルカリ水溶液はすみやかに酸素を吸収する.フロログルシノールはケト形としての反応性を示し,たとえば,ヒドロキシルアミンによってトリオキシムを生じる.分析試薬に用いられ,リグニンとの呈色反応を示し,ペントースなどの検出,定量(トレンス反応)にも使われ,フロログルシノール反応とよばれる.医薬品,色素原料,油脂,潤滑油などの酸化防止剤に使われる.LD50 1550 mg/kg(ラット,皮下).[CAS 108-73-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報