ブルトン語(読み)ブルトンご(その他表記)Breton

翻訳|Breton

改訂新版 世界大百科事典 「ブルトン語」の意味・わかりやすい解説

ブルトン語 (ブルトンご)
Breton

ケルト語派のうちのブリタニック諸語の一つ。5~6世紀にかけてブリテン島南西部から対岸ブリタニーブルターニュ)に渡ったケルト人がもたらしたもので,現在も同地で行われるが,話者の大部分フランス語との二重言語使用者である。コーンウォール語に近く,古期ブルトン語(900-1100)の頃すでに語頭の鼻音変化の機能を失った。中期ブルトン語(1100-1600)になると宗教劇などの文献がふえるが,言語的には15世紀以来フランス語の影響を強く受けてきた。現代は四つの方言に分かれている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ブルトン語」の意味・わかりやすい解説

ブルトン語【ブルトンご】

ケルト語派のブリタニック諸語の一つ。Breton。フランスのブルターニュ地方で話されるが,大陸のケルト語ではなく,5世紀から6世紀のイギリスからの移住者がもたらしたもの。4方言があり,話し手は約100万人いるが,フランス語に吸収されつつある。
→関連項目フランスブルターニュ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブルトン語」の意味・わかりやすい解説

ブルトン語
ブルトンご
Breton language

フランスのブルターニュ地方におよそ 50万~90万人の話し手をもつ言語。ケルト語派に属する。5~6世紀にアングロ・サクソン人侵入を受けてグレートブリテン島からブルターニュ地方に逃れたケルト人の言語 (ブリソニック語) の現在の姿である。フランス語に圧倒されて次第に衰退しているが,教育普及をはかる運動も行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android