プロテオーム(読み)ぷろておーむ(その他表記)proteome

翻訳|proteome

デジタル大辞泉 「プロテオーム」の意味・読み・例文・類語

プロテオーム(proteome)

生体内の細胞組織において、遺伝情報に基づいて作りだされる全たんぱく質

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「プロテオーム」の解説

プロテオーム

細胞内で合成されている全たんぱく質のこと。細胞内では、ゲノムDNA塩基配列mRNA(メッセンジャーRNA)に書き写され、さらに、このmRNAからたんぱく質が合成される。細胞内で合成されるmRNA全部をトランスクリプトームといい、DNAチップを用いて解析できる。細胞の機能に直接的に関係するのはプロテオーム。細胞内の物質代謝に機能しているたんぱく質群と、その代謝産物を合わせた全体はメタボロームという。細胞に含まれるたんぱく質全部を細胞の機能に関連付けて研究することを、ゲノムの解析を行うゲノム科学(ゲノミクス)に対応させ、プロテオーム解析またはプロテオミクスという。種々の細胞や組織のプロテオームの比較により、疾病病態、細胞機能、遺伝子発現パターンの違いなどの解明を目指す。たんぱく質の立体構造の網羅的解析は、構造ゲノム科学または構造プロテオミクスと呼ぶ。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

化学辞典 第2版 「プロテオーム」の解説

プロテオーム
プロテオーム
proteome

生体や組織や細胞のなかに存在するすべてのタンパク質を,網羅的に記述するときに使う用語特定部位に存在するすべてのタンパク質を,網羅的に研究する方法をプロテオミクス(proteomics)という.プロテオーム研究には,二次元電気泳動(一次元目は等電点電気泳動,二次元目はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)によるタンパク質の分離質量分析による同定法が活用されている.[別用語参照]ゲノム

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「プロテオーム」の解説

プロテオーム

 遺伝子の総体,ひとまとまりをゲノムという言い方に対応した語.ある生物,臓器,細胞などのタンパク質の総体,ひとまとまり.すなわち,タンパク質のセット

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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