ベルサイユ楽派(読み)べるさいゆがくは(英語表記)École versaillaise

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルサイユ楽派」の意味・わかりやすい解説

ベルサイユ楽派
べるさいゆがくは
École versaillaise

17、8世紀のフランス音楽の主流をなした作曲家たちの総称。活動の中心がベルサイユ宮殿であったため、この名称が与えられた。17世紀後半から1761年まで、同宮殿の音楽は、礼拝堂、宮殿内、野外の三部門に分けられ、当時のフランスの優れた音楽家はほとんどこれら三部門のいずれかに参加した。代表的な音楽家は、リュリオペラ宗教音楽)、クープラン(室内楽、ハープシコード独奏曲)、マレー(ビオラ・ダ・ガンバ独奏曲)、ラモー(オペラ)である。創作は、壮麗な祝典音楽から繊細で装飾的な独奏曲まで及んでいるが、いずれも当時のフランス宮廷の趣味を色濃く反映している。

[美山良夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルサイユ楽派」の意味・わかりやすい解説

ベルサイユ楽派
ベルサイユがくは
École Versaillaise

17世紀後半から 18世紀なかばまで,ブルボン王朝のルイ 14,15世の時代にベルサイユ宮殿を中心に栄えた楽派。フランス・オペラの創始者といわれる J.リュリほか,F.クープラン,M.ラランドら当時のフランスの音楽家のほとんどが含まれる。彼らは礼拝堂楽団や宮廷の娯楽のための室内楽団,屋外での演奏を専門とする楽団などに属し,それぞれ職務に応じて活躍した。

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世界大百科事典(旧版)内のベルサイユ楽派の言及

【フランス音楽】より

…次に多声音楽の盛期で近代的語法が成立に向かう15~16世紀。第3は,1660年より1760年に至るベルサイユ楽派の時代。そして第4は,フォーレ,ドビュッシー,ラベルを頂点にいただく1860年以後の1世紀である。…

※「ベルサイユ楽派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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