ベーチェット病に注意

六訂版 家庭医学大全科 「ベーチェット病に注意」の解説

ベーチェット病に注意
(口・あごの病気)

 ベーチェット病は、①口腔粘膜の再発アフタ、②皮膚病変結節性紅班(けっせつせいこうはん))、③眼病変(網膜(もうまく)ぶどう膜炎(まくえん)など)、④外陰部潰瘍(がいいんぶかいよう)の4つを主症状とする慢性再発性の全身性炎症疾患です。最近ではこれらの一部しか発症しない症例が増加しています。そのほか、血管中枢神経、消化器の病変によって重い全身症状が生じることがあります。日本、韓国、中国、中近東、地中海沿岸地域などシルクロード沿いの国に好発するため、シルクロード病ともいわれます。

 日本では従来、男性に多いとされていましたが、最近の調査ではほとんど性差はないものの、男性のほうが重症化しやすく、とくに若年発症の場合は失明する例もみられます。

 ベーチェット病では、口腔の再発性アフタがほぼ必発(98%)で、初発症状であることが多く(60%)、その後、前述の症状が徐々に揃ってベーチェット病の診断基準を満たし、再発を繰り返して慢性化するという経過をたどります。慢性再発性アフタと、ベーチェット病でみられる再発性アフタは区別がつかないため、アフタが再発を繰り返す場合は定期的に経過をみてもらうとよいでしょう。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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