六訂版 家庭医学大全科 「慢性再発性アフタ」の解説
慢性再発性アフタ
まんせいさいはつせいアフタ
Chronic recurrent aphthae
(口・あごの病気)
どんな病気か
原因は何か
原因は不明ですが、ウイルス、細菌、食物、薬剤によるアレルギー反応、鉄、亜鉛、ビタミンB12、葉酸などの欠乏、内分泌異常、精神的ストレス、疲労、外傷などが考えられています。
症状の現れ方
アフタは、白っぽい浅くて平らな潰瘍で、何もしなくても痛く、また強い接触痛があります。唇や頬の裏側、舌の横や下面、頬と歯ぐきの間にでき、突然発症し、通常、1週間から長くても2週間で、引きつり傷を残さずにきれいに治ります。発熱や全身
検査と診断
特徴的な外観から診断は容易ですが、アフタが多発する場合は、ウイルスが原因の口内炎であることがあります。この場合は、多数のアフタが口内の広い範囲に発生し、周囲の粘膜が赤くなり、発熱、食欲不振、全身倦怠感などの
アフタが何度も再発を繰り返す場合は、ベーチェット病(コラム)なども考えて、血液検査や免疫学的検査を行います。
治療の方法
通常はステロイド薬の入った軟膏や貼り薬を使いますが、アフタの個数が多い場合や、口の奥にできた場合には、ステロイド薬の入った噴霧薬、
貼り薬は軟膏と異なり、シールを貼るように潰瘍面を被覆保護するため、食事時の痛みが劇的に減少します。そのため貼り薬は、アフタに貼ることが可能な部位で個数が少ない場合は、とても有効であるといえます。
病気に気づいたらどうする
アフタによる痛みが強い場合は、口腔内科、口腔外科を受診し、前述の薬剤を処方してもらうのがよいでしょう。何度も再発を繰り返す場合は、ベーチェット病などの全身的な病気の部分症状ということも考えられますので、眼科、皮膚科、内科などを受診しておいたほうがよいでしょう。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報