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ペテロの手紙 ペテロのてがみPetrou; Letters of Peter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペテロの手紙
ペテロのてがみ
Petrou; Letters of Peter

ペテロ書』ともいう。新約聖書中いわゆる公書と称されるものに属する。『ペテロの第1の手紙』 Petrou A; The First Letter of Peterと『ペテロの第2の手紙』 Petrou B; The Second Letter of Peterがある。『第1の手紙』は,小アジアのキリスト教徒へあてたもので,現在の苦難を試練のときとして耐え,神の苦しむ下僕イエス・キリストへの信仰を維持し,栄光に満ちたその再臨と彼による救いの成就を待つこと,そして人々を敬い,兄弟を愛し,神をおそれ,王権を尊ぶことを訴えている。筆者についてはペテロの秘書役シルバヌス説があるが未詳。『第2の手紙』は,おもにキリストの再臨について述べ,にせの教師に警戒するように説いている。前書に比べてその真筆性は一層疑わしく,前書とは時代背景を異にし,130年代以降のものらしい。

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世界大百科事典 第2版の解説

ペテロのてがみ【ペテロの手紙 Letters of Peter】

使徒ペテロによって書かれたとされている新約聖書中の二つの手紙。しかし大多数の学者は両者ともにペテロの真正の手紙とは考えず,《第1の手紙》は1世紀末,《第2の手紙》は2世紀前半に(したがって新約聖書中最も遅く)成立したとみなしている。使徒ペテロの思想の反映を認めるのは困難であり,最近ではパウロの思想圏内にあるとの説も出されている。《第2の手紙》は主としてグノーシス主義者を異端として反駁しようとしている。

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世界大百科事典内のペテロの手紙の言及

【原始キリスト教】より


[定義と範囲]
 原始キリスト教とは,最初期のキリスト教のことである。しかし,この時期にすでにキリスト教にはかなりの多様性があるので,その内容については,これに後続する時期のキリスト教,すなわち初期カトリシズムの特徴から否定的に定義せざるをえない。ところで,初期カトリシズムの特徴は,自己の属する〈教会の時〉から〈使徒たちの時〉を明確に区別し,教会を統べる単独の監督(司教)を〈使徒伝承〉の正当な継承者とみなし,この伝承を一つの〈信条〉(〈使徒信条〉の原型としての〈古ローマ信条〉)に定型化し,信条を基準にして聖書の〈正典〉を結集しはじめ,監督と信条と正典を認めないキリスト教諸派(とくにグノーシス主義)を〈異端〉として正統教会あるいは〈普遍的教会〉(ギリシア語で〈カトリケ・エクレシアkatholikē ekklēsia〉)から排斥することにある。…

【ペテロ】より

…しかし外典の《ペテロ行伝》37章の伝える逆十字架での殉教の信憑性は疑問視されている。また新約聖書中の《ペテロの手紙》も,大多数の学者は真正のものとは考えない。【青野 太潮】
[図像]
 美術表現においては一般に,白髪の老人の姿で表される。…

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