デジタル大辞泉
「とも」の意味・読み・例文・類語
と‐も[連語]
[連語]《格助詞「と」+係助詞「も」》
1 「と」を強める言い方。「このままですむ―思えない」
「たぎつ瀬の中にも淀はありてふとなど我が恋の淵瀬―なき」〈古今・恋一〉
2 (同じ語の間で用いて)語意を強める意を表す。
「あなうれし―うれし」〈源・玉鬘〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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と‐も
- 〘 接続助詞 〙 動詞および動詞型活用の助動詞の終止形、形容詞および形容詞型活用の助動詞の連用形を受ける。
- ① 逆接の仮定条件を表わす。たとえ…ても。ても。
- [初出の実例]「やたの 一本菅は 独り居り登母(トモ) 大君し よしときこさば 独り居り登母(トモ)」(出典:古事記(712)下・歌謡)
- 「主が名をば知らずとも、尋ねてまいらせなむや」(出典:平家物語(13C前)六)
- 「弁論を逞しくしやうとも、〈略〉おれを遣り込め様とも、そんな事は構はない」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉八)
- ② 確定的な事柄を、仮定的に表現することによって強調する。…しているが。たとえ…しても。
- [初出の実例]「ささなみの志賀の大わだ淀む友(とも)昔の人にまたも逢はめやも」(出典:万葉集(8C後)一・三一)
- 「四十五匁、ちと重くとも持って下さい」(出典:歌舞伎・当龝八幡祭(1810)二幕)
ともの語誌
( 1 )語源は引用の格助詞「と」に係助詞「も」が付いて成立したものと考えられる。接続助詞「と」に係助詞「も」が付いて一語化したもの、との説もあるが、上代において「とも」が多用されているのに対して、接続助詞「と」はいまだ用いられていない。従って「とも」から「と」が生じたと考えるべきであろう。
( 2 )上代から現代に至るまで用いられているが、近世以降、口語では「ても」が優勢となり、「とも」は文章語的表現としてのみ用いられる。
と‐も
- [ 1 ] ( 格助詞「と」に係助詞「も」の付いたもの )
- ① 引用を表わす。
- [初出の実例]「山の峡そこ登母(トモ)見えず一昨日も昨日も今日も雪の降れれば」(出典:万葉集(8C後)一七・三九二四)
- 「常は幸とも不幸とも感ぜずに過してゐる」(出典:高瀬舟(1916)〈森鴎外〉)
- ② 同じ語を重ねて強調する場合、その間に入れる。
- [初出の実例]「うづまさは神騰母(トモ)神と聞えくる常世の神を打ち懲ますも」(出典:日本書紀(720)皇極三年七月・歌謡)
- 「又蝶は捕ふればわらは病せさすなり。あなゆゆしともゆゆし」(出典:堤中納言物語(11C中‐13C頃)虫めづる姫君)
- [ 2 ] 〘 終助詞 〙 文に相当する語句を受け、言うまでもない、という意で強く肯定する。中世以後の口語。
- [初出の実例]「『其時分は定て私をもくはっと取立て被下るるで御ざらう』『をを、取立てやらう共』」(出典:虎寛本狂言・止動方角(室町末‐近世初))
ともの補助注記
終助詞「とも」の語源については、「源氏‐玉鬘」の「あなうれしともうれし」や、「今昔‐二六」の「穴悲しとも悲しや」のような用法から転じたものといわれる。
とも
- 〘 名詞 〙 ( 「とも(艫)」と同語源 )
- ① うしろ。後部。
- [初出の実例]「此女、時々は見かへりなどすれども、わがともに、蛇のあるとも知らぬげなり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)四)
- ② 動物のうしろあし。また、尻(しり)の部分。特に、馬についていう。
- [初出の実例]「あっぱれ御馬候や、〈略〉ともは玄象牧馬の琵琶二面取て押し合せ、突っ立たり共謂つつべし」(出典:浄瑠璃・源義経将
経(1711頃)一)
と‐も
- ( 助動詞「たい(たし)」の連用形に係助詞「も」の付いた「たくも」の音便形「たうも」の変化したもの ) 下に打消の語を伴って、…すること、…になることを望まないの意を表わす。→ともない。
- [初出の実例]「定めし死にとも有るまいし尤逃げても見さんしょし」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のともの言及
【アンコウ(鮟鱇)】より
…背びれ前部の棘条(きよくじよう)は3~4本が互いに遊離している。第1棘は吻端(ふんたん)近くにあってもっとも長く,その先端は変形し皮弁になり,これを揺り動かし,小魚を誘引して捕食する。英名のanglerfishはこの習性による。…
※「とも」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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