日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーズンキット」の意味・わかりやすい解説
ボーズンキット
ぼーずんきっと
Bernard Bosanquet
(1848―1923)
イギリスの哲学者。オックスフォード大学に学び、同大学において古代史と哲学を教え、のちにセント・アンドリューズ大学の道徳哲学教授となる。哲学の著作や翻訳編集に携わる一方で、ロンドン倫理協会や慈善団体で活躍した。彼の哲学は絶対的観念論、または新ヘーゲル派として特徴づけられ、ブラッドリーとともに当時の思想界を支配した。T・H・グリーンの影響を受けたその高度に形而上(けいじじょう)学的で非日常的な哲学は世界全体や実在に関する究極的真理、とりわけあらゆる価値判断や倫理の基礎の確立を目ざす。著作は多岐の哲学分野にわたり、『知識と実在』(1885)、『哲学的国家論』(1899)などがある。
[宮下治子 2015年7月21日]
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