映画製作の手順を時間軸で考えた場合に、撮影後に行われる作業の工程をいう。映画製作の工程は撮影を中心として、それ以前に行われる企画の立案や予算組み、スケジュール調整、脚本執筆、絵コンテの作成、キャスティングなどの段階はプリ・プロダクションpre-productionとよぶ。
仕上げ作業ともよばれるポスト・プロダクションのおもな作業には、撮影済みの素材から必要なショットを選別しつなぎあわせていく編集、音楽の録音、台詞(せりふ)のアフレコ(撮影済みの映像にあわせて台詞や音楽を録音すること)や吹替え、効果音の製作、撮影現場で録音された音素材などを製作者の意図に添うようにバランスを整えながら映像とあわせてゆくダビング、視覚効果のためのコンピュータ・グラフィックスの製作や画面合成、最終的な上映素材を仕上げるために色彩を調整するタイミング、映画の題名やスタッフ名などを表示するクレジット・タイトルの製作、上映用フィルムの焼付けや現像、デジタル上映のためのデジタル・シネマ・パッケージ(DCP)製作などがある。
[江口 浩]
(宮本治雄 映画ライター / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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