コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

江口 えぐち

8件 の用語解説(江口の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

江口
えぐち

能の曲名。三番目物観阿弥原作,世阿弥改作。旅僧 (ワキ) が摂津の国江口の里に立寄り,西行法師の昔を思い出して古歌を口ずさんでいると,里の女 (前シテ) が現れ,その古歌について問答をかわしたのち,自分は遊女江口の君の幽霊であると名のり,夕霧のかなたに消える (中入り) 。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

えぐち【江口】

大阪市東淀川区の地名。淀川神崎(かんざき)川の分流点。古くは京都と西国を結ぶ海路の河港で、遊女が多くいた。
謡曲。三番目物観阿弥作。世阿弥改作ともされる。撰集抄などに取材。江口の君の霊が現れ、歌ったり舞ったりするうち、普賢菩薩(ふげんぼさつ)に変身し、西方へ去る。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

江口【えぐち】

淀川の本流から三国(みくに)川(現在の神崎川)が分岐する地点にあった水上交通の要所。現在の大阪市東淀川区の東端,江口付近にあたる。785年淀川と三国川との間に新川を掘って水路で結ぶ工事が行われてから急速に発展,平安京から山陽・西海両道へいく道と南海道方面へいく道とに分れる交通の要衝となった。
→関連項目河尻難波津

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

えぐち【江口】

大阪市東淀川区にある地名。淀川と神崎川の分岐点に位置する交通の要衝で,平安京から山陽,南海,紀伊への重要基点でもあったから,朝廷の所領がこの地に設定された。平安時代後期の学者大江匡房の《遊女記》に〈山城国与渡の津より,巨川に浮かんで西行すること一日,之を河陽と謂ふ。(中略)流を分ちて河内国に向かふ。之を江口と謂ふ。蓋し,典薬寮味原の牧,掃部(かもん)寮大庭庄の地なり〉とあり,江口が典薬寮と掃部寮の差配する地であったことが知れる。

えぐち【江口】

能の曲名。三番目物鬘物かつらもの)。観阿弥作か。シテは江口の遊女の霊。旅の僧(ワキ)が摂津の国に赴き,江口の遊女の旧跡を訪れると,若い女(前ジテ)に呼びとめられる。女は,むかし西行法師が遊女に一夜の宿を求めた話などをするが,自分はその遊女の霊の仮の姿だと明かして消える。その夜,月の澄みわたる川面に屋形舟が浮かび,遊女たちの姿が見える。遊女の霊(後ジテ)は,人の世の迷いが集約されているその環境こそ悟りへつながるのだと語り(〈クセ〉),舞を舞う(〈序ノ舞〉)。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

えぐち【江口】

◇ 大阪市東淀川ひがしよどがわ区北東端、淀川と神崎川かんざきがわの分流点付近の地名。中世まで、西国船と川船の乗換地として栄え、遊女が多かった。
能の一。三番目物。観阿弥作、世阿弥改作。江口の遊女の亡霊が現れて西行との歌の贈答の故事を語り、のちに普賢菩薩となって西の空に消えるという筋。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本の地名がわかる事典の解説

出典|講談社 この辞書の凡例を見る
(C)Kodansha.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の江口の言及

【売春】より

…ただし,その営業形態などの詳細は不明であり,売春婦の系譜として巫女(みこ)または流浪芸人をあてる説も確証に乏しい。一般的に古代において売春が成り立ったのは,旅行者などを対象としてのものと推定されるが,次の平安時代に著名となる売春地帯が,江口神崎などの港や宿駅であることは,旅と売春との密接な関係をうかがわせる。中世以後における交通の発達と都市の発展とは,売春の機会と人員とを増加させ,近世初頭には豊臣秀吉が遊女を一区域に集める公娼制を採用した。…

【遊女】より

…もっともこの風習は近世初期まで続き,江戸城の評定所で会議のときに遊女が3人ずつ給仕人として出仕したと伝えられる。1100年前後の成立と考えられる《遊女記》(大江匡房著)は古代の遊女のありさまを描写したものであるが,そこに取り上げられたのは淀川河口の江口神崎(かんざき)などに集まっていた遊女である。同様に水辺で小舟に乗って売春する街娼的遊女として浅妻船(あさづまぶね)の存在がしられている。…

【遊女記】より

…平安末期の漢文体の短文。漢文学者大江匡房が,江口や神崎の遊女たちの様を書き記したもの。それによると,当時西国から京への交通の要所にあたる神崎川には江口,神崎,蟹島などの遊里が発達していた。…

※「江口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

江口の関連キーワード井筒采女鬘物芭蕉一番目物鬘扇鬼畜物三番目物半蔀草紙洗

今日のキーワード

災害派遣

天災地変その他の災害に際して,人命または財産の保護のために行なわれる自衛隊の派遣。災害出動ともいう。都道府県知事などの要請に基づいて,防衛大臣が派遣することを原則とするが,特に緊急を要する場合,要請を...

続きを読む

コトバンク for iPhone

江口の関連情報