マラータ同盟(読み)マラータどうめい(英語表記)Marātha

精選版 日本国語大辞典 「マラータ同盟」の意味・読み・例文・類語

マラータ‐どうめい【マラータ同盟】

  1. インドのマラータ族諸国の同盟ムガール帝国支配に抵抗し一八世紀初頭から末葉にかけてインド西岸から北インドまでを勢力圏としたが、マラータ戦争過程で同盟は解体し、多く藩王国となった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラータ同盟」の意味・わかりやすい解説

マラータ同盟
まらーたどうめい
Marātha

18世紀、デカン地方を中心とし、北インドにまで進出してインド最大の勢力となったマラータ諸勢力の連合体。1707年シャーフーShahu Bhonsele(1682―1749)が即位して再建されたマラータ王国は、18世紀なかばには内部から大きく変質した。王国の実権宰相ペーシュワー)の手に移り、シバージーによる建国以来の名門の実力が相対的に弱まって、シンデー家、ホールカル家、ガエクワール家など新興諸侯の勢力が強大になっていった。そのため、マラータ勢力は、デカン高原を中心としてプーナ(現、プネー)に宰相府を置く宰相政府と、インド各地に割拠したマラータ諸侯との連合という形をとるようになった。これをマラータ同盟、マラータ連合などと称する。

[小谷汪之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「マラータ同盟」の解説

マラータ同盟
マラータどうめい
maratha Confederacy

デカン高原西部のマラータ諸侯の封建的な同盟
17世紀後半シヴァージーの下に結成されたマラータ王国が,領土を拡大する過程でとった形態。18世紀前半のバージー=ラーオ1世のときから,各地の半独立的なマラータ諸侯による封建的な政治連合体となり,一般にマラータ同盟と称された。ムガル帝国を圧迫する勢力を示したが,3回にわたるマラータ戦争(1775〜82,1803〜05,1817〜18)でイギリスに敗れて同盟は崩壊,中央インドのイギリス支配が確立した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android