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ミャンマーの民主改革 みゃんまーのみんしゅかいかく

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知恵蔵2015の解説

ミャンマーの民主改革

テイン・セイン政権下で急速に進んでいる民主化の動き。
2010年11月、ミャンマーで20年ぶりに総選挙が実施され、連邦議会(定数664)の議員が指名・選出された。8割以上の議席を獲得したUSDP(連邦団結発展党)は選挙の正当性と「民政移管」の実現をアピールしたが、国際社会の反応は冷ややかなものであった。議員の4分の1の議席が軍人枠という新憲法(08年制定)下での選挙で、政権与党となったUSDPも旧軍政の幹部や軍出身者が多数を占めているからである。また、国連による選挙監視や海外メディアの取材が拒否されるなど、投票は旧軍政の監視下で行われたため、不正選挙の疑いも強い。アウン・サンスー・チー率いる最大野党NLD(国民民主連盟)も、これを理由に選挙をボイコットしている。
しかし、11年3月にテイン・セインが連邦議会の承認を経て大統領に就任し、同時に旧軍事独裁のタン・シュエ(元首相・元国家平和開発評議会議長)が国軍司令官を退いてから事態は急転換。テイン・セイン政権は、スー・チーの自宅軟禁解除に始まり、少数民族武装組織との和解、言論・報道規制の緩和、恩赦による政治犯の釈放や犯罪者の減刑など、次々と民主化政策を実施していった。更に12年4月に行われた連邦議会議員の補欠選挙では、民主的な政党にも門戸を開き、海外マスコミからも大方「自由で公平」な選挙と評価された。結果、NLDが45議席中43議席を獲得。スー・チーも下院議員に当選した。
こうした一連の民主化政策の最大の目的は、欧米諸国が続けている経済制裁の解除と見られている。ミャンマーは長期の経済不振に加え、相次ぐ大型サイクロンの直撃(08年5月、11年10月)で、主要産業の農業も大きな被害を受けた。友好国の中国、インド頼みにも限界があり、新政権は欧米先進国の企業誘致、投資拡大によって国民生活の安定及び経済成長を図ろうとしている、というのが内外の見方である。実際、こうした目に見える変革を受け、制裁解除・緩和を検討する国が増えている。また、豊富な資源(石油・天然ガスなど)、安価な労働力、人口約6千万人というアジア最後の巨大市場を求め、日本を含む先進国企業もこれに呼応しようとしている。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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