議員の辞職や死去による欠員を補う選挙。衆院は小選挙区で1人、参院は選挙区で改選数の4分の1超が欠員となった場合に実施される。欠員の発生時期が前年9月16日~3月15日なら4月補選、3月16日~9月15日なら10月補選となる。投開票日は第4日曜日で、複数選挙区の同日選となるケースがある。当選者は前任者の残り任期を務める。直近の民意が示されるため、与野党が注力する。時の政権が敗北でダメージを受け、退陣や政権交代となった例がある。
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死亡、辞職などにより議員の地位にある者に欠員を生じた場合、その欠員を補充するために行われる選挙。当選人の不足を補充するための再選挙とは異なる。補欠選挙は、繰り上げ補充によって欠員を補充できない場合に、しかも欠員が一定数に達したときに行われる。衆議院小選挙区選出議員の場合は、1人の欠員が生じたとき、衆議院比例代表選出議員の場合は、当選人の不足数と合算して当該選挙区における議員定数の4分の1を超える欠員が生じたときに行われる。また、参議院比例代表選出議員の場合は、当選人の不足数とあわせての欠員数合計が通常選挙における議員定数の4分の1を超えたとき、参議院選挙区選出議員の場合は、当該選挙区の通常選挙における議員定数の4分の1を超えたときである(公職選挙法113条1項1~4号)。
都道府県議会議員の場合は、議員の欠員数が同一選挙区において当選人の不足数とあわせて2人以上(議員定数が1人の選挙区においては1人)に達したとき、市町村議会議員の場合には、議員の欠員数が当選人の不足数とあわせて当該選挙区における議員定数の6分の1を超えるに至ったときに補欠選挙が行われる(公職選挙法113条1項5・6号)。なお、議員の不足数がこれらの一定数に達しなくても、参議院比例代表選出議員の場合には、在任期間を異にする比例代表選出議員の選挙が行われるときに、参議院選挙区選出議員の場合には、その選挙区において在任期間を同じくする選挙区選出議員の再選挙または在任期間を異にする選挙区選出議員の選挙が行われるときに、地方公共団体の議員の場合には、その選挙区において同一の地方公共団体のほかの選挙が行われるときに、便乗による補欠選挙(便乗選挙)が行われる(同法113条3項)。
補欠選挙は、選挙を行うべき事由が生じた日から、衆議院議員および参議院議員の場合については40日以内に、地方公共団体の議会議員の場合については50日以内に行われる(同法34条)。補欠選挙により議員となった者の任期は、前任者の残任期間である。
一般に、補欠選挙の投票率は著しく低くなる傾向がみられる。
[三橋良士明]
議員に欠員を生じた場合に,それを補充するために行われる選挙。有効に議員の身分を取得した当選人が,死亡,退職等の後発的事由によってその職を失った場合に行われるもので,当選人がない場合または不足した場合にこれを補充するために行われる〈再選挙〉とは区別される。補欠選挙は,繰上補充(公職選挙法97条,97条の2)により当選人を補充してもなお一定数の欠員がある場合に行われるのが原則である。衆議院小選挙区選出議員は1人に達したときに,衆議院比例代表選出議員は欠員数と当選人の不足数との合計が当該選挙区における議員定数の1/4を超えるときに,また参議院比例代表選出議員は,欠員数と当選人の不足数との合計が議員定数の1/4を超えるときに,参議院選挙区選出議員は当該選挙区において議員定数のを超える欠員があるときに,都道府県議会議員は,同一選挙区において欠員数と当選人の不足数との合計数が2人以上のときに,市町村議会議員は,欠員数と当選人の不足数との合計が当該選挙区の議員定数の1/6を超えるときに,それぞれ行われる(113条1項)。このほか,議員の欠員数が一定数に達しなくても,当該選挙区において再選挙が行われるときなどには,それに便乗して,補欠選挙が行われる(同条3項)。
執筆者:日比野 勤
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