モアサック(その他表記)Moissac

デジタル大辞泉 「モアサック」の意味・読み・例文・類語

モアサック(Moissac)

フランス南西部、オクシタニー地方タルヌ‐エ‐ガロンヌ県の町。タルン川ガロンヌ川の合流地点に位置する。ロマネスク様式タンパン彫刻と回廊の美しさで知られるサンピエール修道院付属教会がある。モワサック

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改訂新版 世界大百科事典 「モアサック」の意味・わかりやすい解説

モアサック
Moissac

フランス南西部,ケルシー地方タルン・エ・ガロンヌ県の都市で,ガロンヌ川支流タルンTarn川右岸に位置。人口1万1184(1982)。上質な白ブドウの産地。中世には,リヨン,ル・ピュイ,コンクを経てサンチアゴ・デ・コンポステラに至る巡礼路に位置した。サン・ピエール旧修道院は,1047年にクリュニー修道会の系列に入り繁栄をみ,建造が相次ぐ。鐘塔兼玄関1階の2本のオジーブの交差する大ボールトはフランス南部での早い例(1120-25ころ)。その南側大玄関のタンパンの彫刻(当初は西側にあったものを移す)は,《ヨハネ黙示録》からキリスト両脇に四福音書家の象徴と二天使,3段に配して中心を仰ぎ見る24人の長老を表し,ロマネスク彫刻の代表作として名高い。図像モデルは〈ベアトゥス本挿絵または壁画と考えられる。また回廊(1100)はロマネスクの現存例中最も美しいとされ,四隅と中間点の角柱を浮彫大理石板が覆う。
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