2011年に登録された世界遺産(文化遺産)。モンゴル-アルタイ山脈の3つの場所に残るおびただしい数の壁画や墓石が、1万2000年以上にわたるモンゴル文化の発展の様を伝えてくれている。紀元前1万1000年から同6000年頃の最も古い壁画は、この地域に森林に覆われている部分があったこと、渓谷が狩猟の場であったことなどを伝えている。そして、その後の壁画では、狩猟採取の生活から遊牧の生活に移っていく様が描かれ、紀元前1000年代初め頃から7~8世紀までのスキタイ人やトルコ人の支配を経験した期間の壁画には、馬を活用した遊牧生活へ移行していく様が描かれている。これらは、北アジアにおける先史時代の人々の歴史と暮らしを理解する上できわめて重要な遺産である。◇英名はPetroglyphic Complexes of the Mongolian Altai