ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤウ」の意味・わかりやすい解説
ヤウ
Yau, Shing-Tung
中国生まれの数学者。微分幾何学の業績を認められ,1983年フィールズ賞を受賞。1971年カリフォルニア大学バークリー校で博士号を取得。1974~79年スタンフォード大学,1979~84年プリンストン高等研究所,1984~87年カリフォルニア大学サンディエゴ校に在籍。1987年ハーバード大学の教授に就任した。1983年ポーランドのワルシャワで開催された国際数学者会議においてフィールズ賞を受賞。大域的微分幾何学および楕円型偏微分方程式(→偏微分方程式)の分野で上げた業績のうち,特にケーラー計量およびアインシュタイン=ケーラー計量の双方におけるカラビ予想(1954)の解決,正質量予想の証明(リチャード・シェーンと共同研究),実モンジュ=アンペール方程式のディリクレ問題に関するヘルマン・ミンコフスキー問題の証明など,難問の解決が認められた。1980年代前半にはウィリアム・H.ミークスと共同で,ジェス・ダグラスが 1930年代に研究したプラトー問題のうち,未解決となっていた部分の証明を行なった。著書に "Non-linear Analysis in Geometry"(1986),"Differential Geometry"(1993,ロバート・グリーンと共著)など。
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