ヤモイティウス(その他表記)Jamoytius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤモイティウス」の意味・わかりやすい解説

ヤモイティウス
Jamoytius

イギリスのシルル紀後期の淡水成の地層から発見された原始的な脊索動物。体が細長く,顎を欠いている。脊索をもっていて,体の側面に鰭 (ひれ) のようにみえる長いひだがみられる。ナメクジウオのような体制をもつ。この種類の祖先であるオルドビス紀のものから,甲皮綱が由来したと考えられている。プランクトンの類を食べていたと思われる。ヤモイティウスと共産するウミサソリ化石にヤモイティウスの歯型が残っており,ヤツメウナギ同様,寄生性の動物と考えられる。

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百科事典マイペディア 「ヤモイティウス」の意味・わかりやすい解説

ヤモイティウス

シルル紀に生存した,原始的で装甲顎骨ももたない小さな化石魚類。体長約15cm。体の表面に鰭のような長いひだがあり,ナメクジウオに似た配列の単純な筋肉を備えていたと考えられる。化石が英国から出土。全無顎類の祖先,あるいは現生円口類の祖先とする説などがある。

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世界大百科事典(旧版)内のヤモイティウスの言及

【無顎類】より

…このまるい部分が上下に動いて水を吸ったり出したりしたと考えられている。欠甲類はヤモイティウスJamoytius,ビルケニアBirkeniaなどシルル紀に栄えたものを含み,現在の円口類などの祖先ではないかとも考えられている。体側に一連の鰓孔が開いている。…

※「ヤモイティウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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