ヨコクビガメ(読み)よこくびがめ(英語表記)side-necked turtle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨコクビガメ」の意味・わかりやすい解説

ヨコクビガメ
よこくびがめ
side-necked turtle

爬虫(はちゅう)綱カメ目ヨコクビガメ科に属するカメの総称。この科Pelomedusidaeの仲間は曲頸(きょくけい)亜目の一群で、長い頭頸部を水平に曲げて、背甲と腹甲の間に隠すが、頭部は完全には収納されない。5属18種が知られ、湖沼河川淡水にすむ。ヌマヨコクビガメPelomedusa subrufaアフリカ中部・南部、マダガスカル島に分布し、甲長約25センチメートル、餌(えさ)は魚、エビ、ミミズなどで、性質が荒い。アフリカ産のヨコクビハコガメ属Pelusiosは腹甲中央部が蝶番(ちょうつがい)状になっている。南アメリカ産のオオヨコクビガメPodocnemis expansaは甲長1メートルに達し、産卵のため集団で砂地に上陸する。

[松井孝爾]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨコクビガメ」の意味・わかりやすい解説

ヨコクビガメ
Pelomedusidae; side-necked turtle; hidden-necked turtle

カメ目ヨコクビガメ科に属するカメ類の総称。甲羅の中に頭を引込むことができず,頸を横に曲げて甲羅の横に押しつける。この方式は,垂直方向に頸を曲げて頭を甲羅の中に引込む場合より原始的であり,古い地質時代から普通のカメ類とは別の進化をとげてきた証拠であると考えられている。南アメリカ北部,アフリカおよびマダガスカルに3属が分布し,甲長 17cmぐらいの小型種から,80cmに達するオオヨコクビガメ Podocnemis expansaのような大型種まである。すべて淡水性で,原則的には肉食であるが,ときに植物を食べるものもある。 (→ヘビクビガメ )

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