ライト(Frances Wright)(読み)らいと(英語表記)Frances Wright

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ライト(Frances Wright)
らいと
Frances Wright
(1795―1852)

アメリカの女流文筆家、社会改革家、女性解放論者。スコットランドの裕福な商人の家に生まれる。2歳で両親と死別母方の親戚(しんせき)で育った。1818年妹とアメリカ北東部を旅行。24年ふたたび渡米。R・D・オーエンに共鳴、奴隷解放などの理想を実現すべく翌年自らもテネシー州にナショバというコミューンを建設したが、3年で失敗した。以後執筆活動に携わり、アメリカ各地を精力的に講演して、奴隷解放や民衆のための公的教育の必要性、女性の地位向上などを広く訴えた。女性が公の場で話すことがなかった当時、講演の内容や彼女の過激ともみえる行動はセンセーションを巻き起こし、誹謗(ひぼう)や中傷の的となったが、後の女性解放運動の先駆としてきわめて重要な存在である。31年にフランス人の医者と結婚、女児を儲けたが、のちに離婚。52年12月13日シンシナティで死去

[太田和子]

『本間長世編『新大陸の女性たち』(1976・評論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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