ラテンアメリカ史(読み)ラテンアメリカし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラテンアメリカ史」の意味・わかりやすい解説

ラテンアメリカ史
ラテンアメリカし

1492年 C.コロンブスがアメリカに到着する以前からアメリカ大陸の高地地帯には,マヤアステカインカなどのとうもろこし栽培を中心とした高度の農耕文明が存在したが,内部分裂で弱体化したこともあって 16世紀にスペイン人により征服された。支配者となったスペイン,ポルトガル両国は,重商主義的植民地政策をとる一方,先住民 (インディオ) やアフリカから連れてきた黒人奴隷を使って鉱業,農業の経営により富の収奪をはかった。 19世紀初頭本国がナポレオン軍に占領されたことを契機に,各地で独立運動が起り,19世紀なかばまでに 18の独立国が誕生した。独立後も白人の大土地所有層による寡頭支配が続き,彼らの間で激しい派閥争いが繰返されクーデターが頻発したが,20世紀に入ると大衆が政治的に目ざめ,1910年に始るメキシコ革命,59年のキューバ革命をはじめとする社会改革運動が各国に続発し,第2次世界大戦以降の急激な工業化,近代化,都市化の波にもまれながら現在にいたっている。

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