日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ラム(Willis Eugene Lamb Jr.)
らむ
Willis Eugene Lamb Jr.
(1913―2008)
アメリカの理論物理学者。ロサンゼルスに生まれる。カリフォルニア大学化学科を卒業(1934)後、大学院でオッペンハイマーに師事し学位を取得(1938)。コロンビア大学、ハーバード大学、オックスフォード大学ほか多くの大学の教授を務める。レザフォードRobert Retherford(1912―1981)の協力のもとに超短波磁気共鳴法によって水素原子スペクトルの微細構造を観測し、朝永振一郎(ともながしんいちろう)、シュウィンガーのくりこみ理論の実験的根拠の一つとなったラム・シフトを発見した。1955年、「水素スペクトルの微細構造に関する発見」によりノーベル物理学賞を受ける。電子の磁気モーメントを精密測定したクーシュと同時受賞であった。
[大友詔雄]
『中村誠太郎・小沼通二編『ノーベル賞講演 物理学 第7巻』(1979・講談社)』
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