リニアモータカー(その他表記)linear motor car

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リニアモータカー」の意味・わかりやすい解説

リニアモータカー
linear motor car

電磁気の反発力を利用して車体を推進させる交通機関。通常の電動モータは,一次コイルを固定,二次コイルを回転させて回転力を取り出すが,リニアモータは一次コイルと二次コイルを直線状 linearに展開して直線運動を起動するもので,このリニアモータによる鉄道の開発が進められている。普通の鉄道のようにレール車輪の摩擦力によって牽引力を発生する場合,速度時速 300~350km程度が物理的限界となる。リニアモータの一次コイルを軌道側に,二次コイルを車両側に取り付けると(逆に取り付けてもよい),磁気の反発力により浮上し,車両と軌道が接触しないため上記の限度をこえる高速度を出すことができる。日本国有鉄道は宮崎県に磁気浮上式(反発型)リニアモータカーの全長 7.1kmの実験線をつくり,1977年から試運転を進め,1996年に走行試験を終了。その間の 1989年に新実験線を山梨県に建設することが決まり,1997年に山梨リニア実験線が一部完成,走行試験が開始された。東京―山梨―名古屋大阪を結ぶ中央新幹線構想(中央リニアエクスプレス構想)のもとにさまざまな実験を行ない,2014年東海旅客鉄道による中央新幹線の品川東京都)―名古屋間の工事実施計画が認可された。

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