ルオヤン(洛陽)特別市(読み)ルオヤン(英語表記)Luoyang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルオヤン(洛陽)特別市」の意味・わかりやすい解説

ルオヤン(洛陽)〔特別市〕
ルオヤン
Luoyang

中国華北地方,ホーナン (河南) 省北西部の市。古都であるとともに,省有数の近代工業都市。省轄市でルオヤン市,7つの市区とシンアン (新安) 県,イーヤン (宜陽) 県など8県から成る。チンリン (秦嶺) 山地東端の小盆地にあり,市街地はホワン (黄) 河の中流に注ぐルオ (洛) 河の北岸にある。古くから人類が居住し,仰韶文化が栄えた地域で,ホワン河の扇状地とウェイ (渭) 河平原 (関中盆地) を結ぶ陸路と水運要衝にあたる。周初に成王が洛邑を開き,東周で国都となって以後,後漢,三国の魏,西晋が都をおいた。現在の市街地は隋,唐の東都の地にあたるが,安史の乱以後は衰退に向い,地方都市にとどまった。明,清では河南府の府治で,民国時代に省都となったこともある。人民共和国成立後は市域のイーヤン県やシンアン県の石炭,鉄鉱石などと水力資源を利用して,工業が急速に発達。機械工業が主で,トンファンホン (東方紅) トラクタ工場をはじめ,ボールベアリング,鉱山機械などの近代的工場がある。また電力を市内のみならずチョンチョウ (鄭州) 市,カイフォン (開封) 市,シンシヤン (新郷) 市などにも供給している。ほかにガラス,コンクリート,綿紡織,化学,冶金,食品などの工業もある。東郊には後漢代に建立された白馬寺,漢,魏の都跡,隋,唐の都跡,金代の城郭などが残っている。南郊のイー (伊) 河の谷には竜門石窟,北郊には漢から隋唐にいたる帝王の陵があるペイマン山などの古跡がある。ロンハイ (隴海) 鉄道が通っている。人口 564万 8162,うち市区人口 120万 2204 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android