鄭州(読み)テイシュウ

百科事典マイペディアの解説

鄭州【ていしゅう】

中国,河南省中部北寄りにある同省の省都。北側を黄河が流れ,京広(北京〜広州)・隴海(蘭州〜連雲港)両鉄路の連絡点で,政治・経済・文化の中心地。春秋時代に鄭邑,隋代に鄭州治が置かれ,1949年市となった。1954年省都がそれまでの開封から鄭州に移された。戦前は商業都市だったが,中華人民共和国になってから工業が急速に発達し,中国の重要な繊維工業基地となった。1923年の京漢鉄道労働者による〈二・七〉ストの起きた場所で,市の中心地に〈二・七〉広場と記念塔がある。311万人(2014)。
→関連項目河南[省]洛陽

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世界大百科事典 第2版の解説

ていしゅう【鄭州 Zhèng zhōu】

中国,河南省中部の都市。黄河の南岸近くに位置し,京広(北京~広州)・隴海(ろうかい)(蘭州~連雲港)両鉄道の交点に当たる。省政府の所在地で,全省の政治,経済,交通,文化の中心。周の初め武王が弟の管叔を封じた管国の地と伝えられ,春秋時代には鄭国の一部であった。隋のとき管城県をおいて鄭州の行政中心としたが,明に至り管城県を鄭州と改称して開封府に所属させ,清代に及んだ。中華民国は鄭県として省に直属させ,中華人民共和国では鄭州市となり,1954年以来,省政府がここに移っている。

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大辞林 第三版の解説

ていしゅう【鄭州】

中国、河南省の北部に位置する省都。交通の要地。小麦・綿花の集散が盛ん。織物・製粉などの工業が発達。チョンチョウ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鄭州
ていしゅう / チョンチョウ

中国、河南(かなん)省中北部の地級市で、同省の省都。華北(かほく)平原の西端にあり、南西方には嵩山(すうざん)の山系が控え、北部は黄河(こうが)に臨む。市内を潁河(えいが)の支流の賈魯河(かろが)とその支流が流れる。中原(ちゅうげん)区、二七(にしち)区などの6市轄区と中牟(ちゅうぼう)県を管轄し、(けいよう)、新鄭(しんてい)、登封(とうほう)など5県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口972万4000(2016)。1981年に浦和市(現、さいたま市)と友好都市となった。
 中国中部の重要な工業都市であり、従来の基幹産業であった機械製造、食品化学、紡績などに加え、自動車製造、電子機器製造、製薬なども発展している。周辺の農業は小麦、コウリャン、トウモロコシ、大豆を柱にした二年三作制が基本である。黄河流域ワタ作区のうち豫西北(よせいほく)地区の主産地を形成し、生産量は多い。
 鄭州は黄河中・下流域にあり、水害や干害が繰り返されてきた。1938年には、侵攻する日本軍を前にした国民党軍が撤退を図るため、市の北方花園口(かえんこう)の黄河の大堤を破壊したが、水流は賈魯河や潁河の河道を南下、淮河(わいが)にまで到達し、河南、安徽(あんき)、江蘇(こうそ)の3省、5万4000平方キロメートルにわたり黄河の水が氾濫(はんらん)した。そのため被災者1250万人、死者は89万人に上り、うち河南だけで47万人の死者を出したことはよく知られている。被災した土地は凸凹になり、アルカリ、塩類土化が進んだ。中華人民共和国成立後は堤防を強化し、花園口にサイフォンを利用した取入れ口を設け、約1500本の灌漑(かんがい)用水路を建設して、氾濫地区へ水を供給、整地を施し、各耕地には防護林帯を設けている。また、陽市の(ぼうざん)には用水センターが建てられ、一度山頂に水をくみ上げたあと約2700ヘクタールの耕地に供給している。
 地理的に中国の中心に位置する鄭州は、国内鉄道網の中心地でもあり、京広線と隴海(ろうかい)線が交差し、黄河には京広線の鄭州大橋が架かる。また、京広、鄭徐(鄭州―徐州(じょしゅう))、鄭西(鄭州―西安(せいあん))などの高速鉄道が通り、河南省の各都市とは、城際(都市間)鉄道で結ばれている。自動車道も京広・隴海両鉄道に沿って通じている。さらに空路では鄭州新鄭国際空港が新鄭にあり、北京(ペキン)、西安、広州(こうしゅう)、上海(シャンハイ)など国内の要地や東アジアの各都市と結ばれており、河南省中北部の交通の要所となっている。
 市の北郊の大河村(たいがそん)には新石器時代末期の仰韶(ぎょうしょう)・竜山(りゅうざん)両文化の遺跡があり、市内では殷(いん)代の古城跡(二里岡(にりこう)遺跡)が発見されている。また市の中心部には、1923年に京漢鉄道(現、京広線)の労働者が軍閥に反対して行った二・七ストライキ(二・七事件)を記念する二七記念堂や二七記念塔がある。[駒井正一・編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

てい‐しゅう ‥シウ【鄭州】

[一] 中国の隋代、現在の河南省鄭州市を中心に置かれた州名。
[二] 中国河南省の省都。同省北部、黄河の南岸近くにあり、隴海(ろうかい)・京広両鉄道の交差点に位置する。農畜産物の集散地で綿市場で知られ、人民共和国成立後は、紡績・機械工業が発展。

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世界大百科事典内の鄭州の言及

【殷周美術】より

…付近には朱砂とともに圭,璋などの玉器があり,この地が重要都邑であったことを示す。 河南省鄭州市の,周囲7kmに及ぶ大城壁は殷中期の都城址である。城内から東西65m以上,南北13.6mの宮殿址などが発見されている。…

【河南[省]】より

…人口は9172万(1996)。4地区,13地級市,25県級市,91県からなり,省都は鄭州市である。中国の古代地理書である〈禹貢〉(《書経》の中の一編)には九州の一つとして予州とみえ,ほぼ天下の中央に相当するので中州または中原ともよばれた。…

※「鄭州」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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