日本大百科全書(ニッポニカ) 「レイノー症候群」の意味・わかりやすい解説
レイノー症候群
れいのーしょうこうぐん
四肢末端の小動脈の発作的収縮によって手足の指の皮膚色調が間欠的に変化し、蒼白(そうはく)、チアノーゼ、あるいは紅潮を呈し、同時にしびれや痛みなどの症状(レイノー現象)がみられるものをいう。レイノー現象は、1862年フランスの医師レイノーMaurice Raynaud(1834―81)によって初めて報告された。
レイノー症候群は、その原因となる基礎疾患の有無によって分けられ、基礎疾患の認められないものを一次性レイノー症候群またはレイノー病といい、基礎疾患の認められるものを二次性レイノー症候群という。
二次性レイノー症候群の原因疾患としては白蝋(はくろう)病をはじめ、閉塞(へいそく)性動脈硬化症、外傷、膠原(こうげん)病(全身性エリテマトーデス、強皮症、リウマチ性関節炎など)などが知られている。その治療法としては、基礎疾患に対する治療を行うとともに、レイノー病に準じて寒冷刺激やストレスなどの誘因を除くようにするほか、鎮静剤や血管拡張剤などの薬物療法を行う。
[木村和文]