レジスタンス運動(読み)レジスタンスウンドウ(その他表記)Mouvement de Résistance

旺文社世界史事典 三訂版 「レジスタンス運動」の解説

レジスタンス運動
レジスタンスうんどう
Mouvement de Résistance

一般には圧政的政府や占領軍に対する人民抵抗運動を意味するが,歴史上は第二次世界大戦中におけるフランス人民の対ドイツ抵抗運動
フランスでは1940年6月の降伏後,ナチス−ドイツ占領軍とヴィシー政府のファッショ的支配が始まり,数百万の青年男女を強制労働者としてドイツへ連れ去ったことで急速に抵抗運動が盛り上がった。学生・労働者・知識人らが対ドイツ非協力,鉄道軍事施設の破壊などを行い,1943年には連合軍の対ドイツ反攻にはげまされて共産党・社会党その他の政党,労働総同盟などの労働組織が統一して全国抵抗評議会が結成され,マキ団などの武装蜂起を中心に運動を続け,ついにフランス解放に成功した。なおイタリアや東ヨーロッパ諸国でも,ファシズム支配に対する抵抗運動が行われた。イタリアでは1942年ごろから反ファシスト運動が動きだして広汎な共同戦線が結成され,43年9月の降伏後は武装パルチザンが反ドイツ活動を行い,イタリアの解放に尽くした。また,ポーランド・チェコスロヴァキア・ソ連・ユーゴスラヴィア・ギリシア・オランダノルウェーなどのドイツ占領地域でも,さまざまな抵抗運動が行われた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「レジスタンス運動」の解説

レジスタンス運動(レジスタンスうんどう)
Résistance

広くは一般にファシズム支配に対する抵抗運動を意味するが,特に第二次世界大戦中ファシズム諸国の支配下に置かれた東欧,イタリア,フランスなどの諸地域での占領軍に対する国民的な抵抗運動をさす。なかでもフランスでドイツ軍およびヴィシー政権に対して行われたそれは著名である。ここでは共産党から右翼に至る広範な人々を含んだ多数のグループが結成されて,非合法新聞の発行サボタージュ,武力抵抗など多彩な活動が行われ,自由フランス政府とも連絡して,1944年夏のフランスの解放に大きな役割を果たした。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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