レッドベイのバスク人捕鯨基地(読み)レッドベイのバスクじんほげいきち

世界遺産詳解 の解説

レッドベイのバスクじんほげいきち【レッドベイのバスク人捕鯨基地】

2013年に登録された世界遺産(文化遺産)。カナダの北東部、ベルアイル海峡沿岸に位置するレッドベイ捕鯨基地は、1530年代にバスク人の漁師たちによって建設されたもっとも古い捕鯨基地だが、全体がきわめて良好な状態で保存され、ヨーロッパ人による捕鯨の伝統を今に伝えている。この基地を建設したバスク人たちは、ここを「グラン・バヤ」とよび、沿岸での捕鯨やクジラの解体、鯨油精製貯蔵のためにおもに夏季に活用した。その後、ここで精製された鯨油はヨーロッパに出荷され、照明用の油の主要なものとなった。レッドベイの捕鯨基地には、製油装置や桶、波止場、一時的な宿泊用の街区、墓地などの遺物遺構、さらには、海中難破船やクジラの骨などの遺物があり、当時の生活や生態系を知ることができる遺産として価値が高い。この捕鯨基地は、周辺海域のクジラの個体数が減少するまで、約70年間利用された。◇英名はRed Bay Basque Whaling Station

出典 講談社世界遺産詳解について 情報