ロインクロス(その他表記)loincloth

翻訳|loincloth

改訂新版 世界大百科事典 「ロインクロス」の意味・わかりやすい解説

ロインクロス
loincloth

短いスカート状に腰のまわりを巻いた腰衣総称。現代でも一部の原始的な民族に見られるが,古代では形状や素材は違っても,多くの地域で常用された。古代エジプトの男子がつけた白麻の巻きスカート型のシャンティshentiは代表的な例であるが,メソポタミアではシュメール毛織物の長めの腰衣,エーゲ海域の彩色模様で飾られた短いミノス風腰布,あるいは古代ギリシアやローマの働く男たちが着た,股をくぐらせてから腰部をおおう形のパーニュpagneなどがこの系列に属する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロインクロス」の意味・わかりやすい解説

ロインクロス
loincloth

腰衣,腰布などと訳す。1枚の布地をスカート状あるいは股間をくぐらすなどして,腰部に巻きつけて着る基本的原始衣の一つ分布は世界的に広く,古代エジプトの男性用のロインクロスは特に有名である。今日腰衣はスコットランドキルトインドドーティ東南アジアサロンなどにみられる。

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世界大百科事典(旧版)内のロインクロスの言及

【民族服】より

…しかもそれはそのまま今日の民族服から類推された一つの発展系列ともみなされる。第1は紐衣(ちゆうい)と名づけられるリガチュアligatureに発し,草,樹皮,獣皮から織物による〈腰衣〉にいたるロインクロスloinclothの系列で,今日,アフリカの一部やオセアニアの民族の間に見られる。第2はドレーパリーdraperyといわれる〈巻き衣〉の系列で,アフリカやイスラム圏の一部に見られる。…

【衣服】より

身体装飾装身具服制服装【鍵谷 明子】
[衣服の形式]
 衣服の形は人体,風土,民族の生活,材料,性に影響されて多様なものが生まれてきた。しかし,基本的形態としては,紐衣(ちゆうい)型(リガチュアligature),巻き衣型(ドレーパリーdrapery),貫頭衣型(チュニックtunic),前開き型,腰衣(ようい)型(ロインクロスloin‐cloth),ズボン型などが見られる。紐衣型は獣皮衣と共に,人類の原始衣の形の一つで,旧石器時代のビーナス像や,古代エジプトの奴隷の腰部に紐状のものを巻きつけたものが見られ,腰衣型とも関連している。…

【民族服】より

…しかもそれはそのまま今日の民族服から類推された一つの発展系列ともみなされる。第1は紐衣(ちゆうい)と名づけられるリガチュアligatureに発し,草,樹皮,獣皮から織物による〈腰衣〉にいたるロインクロスloinclothの系列で,今日,アフリカの一部やオセアニアの民族の間に見られる。第2はドレーパリーdraperyといわれる〈巻き衣〉の系列で,アフリカやイスラム圏の一部に見られる。…

※「ロインクロス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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