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「ワタ(綿/棉)」の意味・わかりやすい解説
ワタ(綿/棉)【ワタ】
アジア原産のアオイ科の一年草。熱帯では多年生の木本(もくほん)。高さ1〜2.5m,各節に2個の側芽があり,一方が発育枝,他が結果枝となる。葉は掌状で互生し長い葉柄があり,托葉を有する。花は結果枝に着き,色はクリーム,黄,紫,深黄など種々。【さく】果(さくか)は卵円形で熟すと裂開し白い綿毛(綿花)に包まれた種子を現す。綿毛は種子の表皮細胞の一部が伸長したもので長さは2〜5cm。綿毛を紡績原料,ふとん綿,脱脂綿,火薬,セルロイド原料などにし,また種実からは綿実油を採取するため,ワタは繊維作物であると同時にきわめて重要な油料作物でもある。インドでは紀元前から栽培され,日本へは奈良時代に渡来したといわれる。カイトウメン(海島綿),エジプトメン,リクチメン(陸地綿),アジアメンなどが現在栽培されているおもな種類で,一般に高温と十分な日照,雨量を必要とし,排水性のよい土壌を好む。米国,中国,インド,パキスタン,ロシアなどが主産地。
→関連項目繊維作物|三河木綿|綿織物
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